EMODとの抗争の時、熱くなりすぎた俺は何ヵ月もはなに連絡をしなかった。
いや、正直に言うと忘れていた。
それくらい興奮していたんだ。



兄弟分の杯を交わしている時、ふと酒に酔った前川が女の話をしだした。
自分はモテるという事を自慢したかったのだろう。
その時にふとはなの存在を思い出した。
何ヵ月も連絡していないという俺に前川は

｢将五、お前振られたな。｣

と笑いながら言った。




あー、さすがに終わったな。
こんなに連絡しない彼氏いらないもんな。

でもいざ振られると思うと勇気が出ず、はなに連絡を入れたのはそれから一週間後だった。


久しぶりに会ったはなはまだ傷だらけの俺を見て苦笑いしながら言った。

｢久しぶり。元気…そうではないね｣

それでも何も聞いてこないし何も言わない。

あれ？もうこいつの中では終わった事になってるのか？

ふと不安になった俺は連絡をしなかった経緯を説明し、素直に謝罪した。

｢こんな男いらねーよな。連絡しねーし、暴れまわるしよ。はなに会ったら何言われるかと思うとよ、連絡できなかったんだ。悪い。愛想つかされても仕方ねーと思う。｣

そう言った俺にはなは言った。



｢バカだね。将五は。そんな事考えてたんだ。｣

夕焼けをバックに笑うはなはメチャクチャキレイだった。