最初は遠慮がちにしていたはなもすぐに俺達の中に溶け込んでいった。

はなは感情が豊かだ。

笑う、怒る、泣く

楽しい、嬉しい、悲しい、辛い、寂しい、眠い。

全ての感情が溢れちまうんじゃないかと思うくらいに全力で表現する。

こんなに全力で生きてて疲れないのか？とたまに心配になるくらいだ。

｢あいつはガキの頃からそうだった。｣

とヒロミは笑いながらよく言ってたな。

ヒロミが書く熱い歌とはなの書く心に響く歌。
曲数も増え俺達は順調に客の心を掴んでいった。

｢みんなが目指してるスーパースターになるにはまだ程遠いね。｣

はなはよく笑いながら言ってたな。

｢うるせぇ、すぐそこだ。｣

よく似てる俺とヒロミは口を揃えてこう返してた。

その度にはなとツネは顔を見合わせて笑った。