｢秀吉ごめんね。買い物付き合わせちゃって。マサから全然連絡なくて。昨日飲み会だったみたいだしまだ寝てるのかな？｣

｢あぁ、マサは一度寝たら起きねぇからな。まだ夢の中だろうな。｣

ん？はなと秀吉の声？夢か？

まだまどろみの中にいた俺は好きでもない女を腕に抱きながら未だ布団の中にいた。

そんな時になったインターホン。

｢マサー、寝てるの？鍵あけて勝手に入るよー｣

｢マサ、てめぇ彼女迎えにくらい行けよ！！
ん？ヒール？？｣

｢え？ヒール？？｣

え？はな？？と秀吉？？

俺の動きに起きた女。

｢マサさんどうしたんですか？｣

｢秀吉、はな｣

｢マサ、てめぇ！！｣

秀吉の隣に並ぶはな。

ずっとニコニコ俺の隣にいたはなの眼には、今うっすらと涙が浮かんでいる。

｢マサ、ずっと好きだったのは私だけだったんだね。マサにはもう他にいたんだ。私、気づかなくて…ごめん。秀吉、私帰るね。｣

そう言ってあいつは出て行った。

｢マサ、追いかけなくていいのか？｣

動かない俺に、秀吉は家から出ていった。はなを追いかけて行ったんだろう。

あの後秀吉から呼び出され、事の経緯を話した。秀吉は呆れていたが、さすがはダチだ。そんな事で離れる事はなかった。

｢マサ、連絡しなくていいのか？｣

｢今更なにも言えねぇだろ。｣

結局俺は何も言う事が出来ず

『わりぃ。でもやっぱり俺は遠距離向いてねぇみたいだ。別れよう。』

そうメールしてはなとの関係に終止符を打った。

はなからメールの返信がきていたがそのメールを読む事はなかった。