高校を卒業して、俺らはバラバラになった。
俺は東京、あいつは地元に残って大学生。
それでも関係は変わらなかった。

俺にははながいる事が当たり前になってしまって、少し刺激を求めてしまった。

その日はバイトの飲み会だった。

『楽しんできてね！でも飲みすぎ注意だよ！マサすぐ寝ちゃうんだから。』

はなからのそんなメールに俺は
『うるせぇ！行ってくる』とだけ返信した。

俺の隣には一つ年下の女がいた。
はなとは違って東京の女って感じだ。

｢マサさんの彼女はどんな人ですか？｣

｢あぁ、なんていうか普通だな。ずっとニコニコ笑ってるよ。｣

｢遠距離なんて辛くないですか？｣

｢そういえば辛いとか考えた事もねぇな。連絡はしてるしよ。｣

｢会いたいとか寂しいとか言われた事ないんですか？｣

｢そういや、あいつからそんな言葉聞いた事ないな。｣

｢本当にマサさんの事好きなんですか？
私だったら毎日マサさんに会いたいし触れていたい。｣

そういって女は俺の膝に手を置いた。短いスカートから見えるスラリとした脚に少しドキっとした。
こんな感情は久しぶりだった。

お開きになり帰ろうとする俺に近づいてきた女。

｢マサさん、一緒に帰りましょう。彼女と離れてるんですよね？バレないです。｣

そんな耳元で囁かれる誘惑に俺は勝てなかった。
家に連れ込み女を抱いた。その女になんの感情もなかった。ただ誘惑に負けた。
ただただ夢中だった俺は

『明日休みだから行ってもいい？買い物してお昼頃家に行くね。久しぶりに秀吉と3人でご飯食べよう。』

あいつからのメールに気づく事はなかった。