第19話 閉ざされた心
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その日の夜、皆が寝静まった頃ののかはリビングに飾られている家族写真を手に取り窓際に座っていた。
今宵の空は雲一つなく美しい月明かりが辺りを照らし、満開に咲く桜も夜風に吹かれながら月明かりを受け止めていた。
ののかは写真を眺め今までの事を思い出し、いつものように急に「ただいま」と玄関から声が聞こえてくる感じに包まれた。
「……お父さん……」
(ほら、折角の家族写真なんだからちゃんと笑顔でうつれよ?)
「……お母さん……」
(あら!この服も似合ってるじゃない♪ののかはお母さん似だから何でも似合うわv)
「……お兄ちゃん……」
(今日から高校生か!じゃあお祝いに俺が食事をごちそうしてやるよ♪)
……いつ…帰ってくるの?
死んだなんて嘘なんでしょ?
本当は皆で私を驚かせようとしてるんでしょ?
……そうか…もしかしたら
皆が私の事を待ってるんだよね?
………待ってて…
私も……そっちに行くから
だから一人にしないで
ずっと一緒だから…もう離ればなれは嫌だよ
”ゴトンっ!”
手の力が抜け、立ち上がったと同時に持っていた写真立てを床に落とすと、何かに導かれるかの様にののかは棚の上にあった薬箱をあけた。
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