第3話 生きてていいその理由
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ギュッと抱きしめたエースの体はののかが思っていた以上にがっしりとしており、処どことにあった傷はとても痛々しかった。
「……生きててくれてありがとう」
エ「Σっ!」
「生きて私の処に来てくれてありがとう」
エ「……ののか…………俺は……ののかが思っているほど良い人間じゃねぇ……俺は…生きてちゃいけねぇ人間なんだ…」
彼女の「ありがとう」という言葉にエースの心は苦しくなった。
今まで自分に言われてきた言葉は逆のもので、自分の存在さえ嫌気がさしているほどだった。
「………エースのことは知っている…昔周りの人からどんな事を言われてきたか……でも私は貴方の体にどんな血が流れていようと、貴方の親が誰であろうと関係ない…エースはエース何だから。この世に生まれてこなければいい人間なんていない。そしてそれを誰かが決めて良いものでもない!生まれてきちゃいけないって、誰かが決めたのなら初めから生まれてなんかないわ」
エ「……ののか」
「ねぇ…知ってた?……今自分がこの世に生まれてきたことは奇跡なんだって」
エ「…奇跡?」
「うん…この世には自分に似た人が3人はいるって言うけど、似ているだけで「私自身」じゃないでしょ?どこを探しても自分と何から何まで同じ人間は絶対に存在しない。それは60億人分の1人の確率の奇跡なんだって……今私達は当たり前に話をしてるけど、この生まれてきた奇跡がなかったら、出会うこともなかった……それ以前に人間にすら生まれてきてなかったと思う。もしかしたら猫に生れていたかもしれない…虫に生れていたかもしれない…あるいは植物として生まれていたかもしれない…………でもね?私達がこの世に生まれてきたってことは神様が与えてくれた奇跡なの。」
エ「……じゃあ俺が生まれてきたことも奇跡だって言うのか?」
「うん…エースもルフィも奇跡の子なんだよ。親が誰だろうと、血がなんだろうと、エースはエース!私と同じ生きた人間だよ……―――だからそんな悲しいこと二度と言わないで?」
ののかは泣きそうな彼の頬にそっと手を添えると、エースはギュッとののかを抱きしめた。
エ「…ありがと…ののか………っ…俺は……クッ……ずっと心のどこかで…その言葉を言ってくれる奴を待っていたのかもしれない……っ…ずっと不安だった……ずっと怖かった……こんな俺は…生きていても何の価値も意味もねぇんだって……っぅ…」
このとき涙が止まらなかった
今まで我慢していたことが
ため込んでいた思いが一気に爆発した。
「俺のために……血を流し…ッ…俺のために…クッ…傷ついていく……それを見ていることしかできなかった俺は…ぅッ…すげー弱いんだと…」
「価値も意味もなかったら…ルフィは貴方を兄だと呼ばないし、白ひげの仲間たちだって貴方を仲間にはしなかったわ……海軍に捕まっても命を張って助けに行こうだなんて思わないもん……意味があるから…価値があるから……そして何よりも家族だから!…………貴方に生きててほしいと思ったのよ…――もし、私も白ひげの一員だったら貴方を助けに行ってた。」
「エ―スが大切だから」
エ「ッ!」
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