頭を乗せた名無しの膝はほんのり暖かい上に柔らかくて良いがしていた。




「少しは元気出ましたか？」





恋「…え？」





「ここ最近元気ありませんでしたから…」





恋「そう見えたか？」







「はい。落ち込んでいる時の方が多い感じでしたから」






恋「ん〜…まぁ確かにそうだったのかもしれねぇな
ーーでも名無しのお陰で元気出たかもしれねぇ

ありがとな…心配してくれてよ」





「阿散井副隊長にはいつも笑っていてほしいですから
副隊長が落ち込んでいると…私まで調子狂っちゃいますよ」





名無しは小さく微笑むと彼女の言葉が少し嬉しくなった恋次は体を反転させ、そのまま彼女の腰に腕を回しギュッと抱きしめた。





「Σえっ…副長私何か失礼な事でも言いましたか！？」





恋「いや、そんなんじゃねぇよ/////
ーーそんなんじゃねぇけど……少しこのままでいさせてくれねぇか？


……嫌ならこの腕を払いのけてもらってかまわねぇ」






恋次は彼女に拒否られるかと思っていたが、そんな思いとは裏腹に彼の頭を優しく撫でる手の温もりを感じた。





「そんな事できるわけないじゃないですか
私は嫌だとか思ったりしませんよ」






恋「…っ////そ…そうか/////」





「むしろ…私もこのままでいさせてください
……少しでも好きな人の側にいたいので」





名無しからのまさかの言葉を聞いた恋次は大きく目を見開き一瞬動きを止めたが、すぐさま体を起こした恋次は彼女の肩をガッチリ掴むと言葉が出ない口をパクパクと動かしていた。






……い、今名無しは…/////



お、俺の事が好きだと言ったか！？/////




言ったよな！！



確かに言った筈だ！！//////






「えっと…ど、どうかしましたか？∪」





恋「あ、…あのよ/////

さっきの言葉だが「今度は…」





恋「…え」







「…今度は阿散井副隊長の言葉を聞かせてください

女性から二度同じ言葉を言うなんて恥ずかしいじゃないですか」






月明かりに照らされた名無しはとても美しく、そして先ほどの言葉は聞き間違えじゃないと思った恋次は、その大きな手で名無しの頬にそっと触れた。







恋「……名無し



ーーお…俺は…」







今なら自分の気持ちを伝えるとこができる。
そう思った恋次はゴクリと唾を飲み込み、ドクドクと脈打つ鼓動を落ち着かせ口を開いた。





ーーが…次の瞬間。















.