39話 世の中そんなに甘くない
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「ぁあ〜……こりゃ飲み過ぎたな」
今夜何人かの隊長と副隊長で飲み会をしていた恋次だったが、飲むペースが早かった所為でいつもよりすぐに酔いが回った恋次は夜風に当たる為に隊舎の縁側に座っていた。
本来なら仲の良いイヅル、乱菊、修兵、名無しの5人で飲むつもりだったが、飲み会に名無しもいるという事を何処からか情報を聞きつけた市丸、藍染、白哉、浮竹も参加していた。
名無しは見た目の可愛らしさと性格の良さから、いろんな人に可愛がられ、彼女に好意を抱く人は隊長副隊長問わず多く恋次もその中の一人だった。
彼女は恋次と同じ六番隊で副長補佐をしているので、普段から名無しと一緒にいる事は多いのだが、好意を抱くようになってからというものの、名無しに対して意識しすぎて仕事でのミスが目立つようになっていた。
その度に白哉に冷たい視線と言葉を浴びせられる恋次はすっかり落ち込んでしまい、それを見兼ねた名無しが彼を元気づける為に今夜の飲み会を開いたのだった。
恋「…今夜は満月か…。」
空を見上げれば大きな満月が耿耿と輝いており、辺りの暗闇を月明かりが照らし出していた。
酔いを覚ます為にそっと目を閉じれば時折吹く夜風を肌に感じ、瞼の奥には満月の残像が薄らと残っていた。
アルコールの所為で意識が定まらずボーッとしていると彼の背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「阿散井副隊長?」
恋「っ!」
声をかけられた事でハッと我に返り後ろを振り向くと、そこにはお盆に徳利を乗せた名無しが恋次の顔を覗き込んできた。
恋「おぉ…名無しか
皆と飲んでたんじゃねぇのか?」
「皆さんの飲むペースが早いから少し休憩と、市丸隊長と檜佐木副隊長が絡んでくるので逃げてきました」
名無しは少し疲れている表情を浮かべながら恋次の隣に座ると、彼も「大変だったな」と言ってニカッと笑いかけた。
恋「でも酒切らしたんじゃねぇのか?」
「あぁ…これは口実の為に持ってきただけですよ
じゃ無いと部屋から逃げる事ができないですからね
なので暫くここで休憩させてください」
恋次の隣で酔って頬を薄ら赤く染めている彼女の表情はとても色っぽく、横目でチラッと見た恋次の心はドキッと一瞬脈打った。
「阿散井副隊長は大丈夫ですか?」
恋「Σえっ!?な、何がだ!?/////」
「急に部屋からいなくなったので気分でも悪くなったのかと思って
松本副隊長と先ほど飲み比べをされていたので、てっきり悪酔いしたのかと」
恋「悪酔いかぁ…
ーーあぁそうだな……言われてみりゃ酔ってんのかもな」
そう言いながら恋次は隣にいる名無しの膝に頭を乗せ、彼女を見上げると突然の事にビックリしていた。
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