喜「良いスか？幸恵さん」


「うん。どうしたの？喜助さん」


喜助は彼女の部屋に入ってくると、彼の目には痛々しく巻かれた包帯が飛び込んできた。

喜「傷、痛みますか？」


「そうね、痛くないと言っちゃえば嘘になるけど、この怪我は大切な人を守った証だもんv………あそこで何もしなければ、私は後悔していたかもしれない」


喜「すみませんでした」


喜助はいつも被っている帽子を脱ぐと深々と頭を下げた。


「喜助さん」


喜「これから先何があっても貴方を守るとこの胸に誓ったはずなのに、私は貴方を止める事すらできなかった。」


喜「死んでたかもしれない……間違っていたら、今こうやって一緒にいる事すらできなくなっていたかもしれない……ワタシは嫌っスよ…そんなこと」



「喜助さんがそうやって頭を下げるのを見るのは２回目だね」

喜「え？」


「尸魂界から帰ってきたときもそんな顔してた。……大丈夫、私は喜助さんにも強くしてもらった。だから、破面なんかでは簡単に死んだりしないよ♪」


「幸恵さん」



「あ、…でももし私の心が負けそうなときは……そのときは助けてくれないかな？私一人じゃどうにもできないから」


幸恵はにっこりと笑い、そっと喜助の頬に自分の手を沿えた。
少しだけチクチクする無精髭は、そのときばかりは気にはならなかった。


「私、まだまだ弱いんだよ。
どんなに守りたくても、喜助さんや一護みたいに強い訳じゃない。周りが無茶苦茶だって思っていても、私は守るために無茶を押し通すよ。」


喜「貴方の意思がとても固い事は知ってます。
…でも、ご自分の事も大事にしてください」


「クスっ♪ありがとうv…あ、喜助さん」

喜「何スか？」


「私、後からちょっと一護の家に行ってくるから。怪我の方は無理しないから安心して。ってか次の戦闘のために無理はできないんだけどね」


喜「幸恵さんの事ですから、アタシが言ったところで大人しく出来ないっスよね」


「あはは♪見破られてましたか」

喜助は苦笑いを浮かべると、深々と帽子を被った。







＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


一方、尸魂界から日番谷、恋次、一角、弓親、乱菊、ルキアが一護の高校にやってきており、ルキアにボコボコにやられた一護は無理矢理死神化すると、学校から外に連れ出されていた。


黒「おいルキア！！一体どこ連れて行く気なんだよ！？」


ル「うるさい！いいから黙って走れ！！」


一護の後ろにおんぶされているルキアは、携帯を見ながら一護に先導すると、とある場所に着いた。


黒「虚！？」

ル「そうだっ！言ってこい！！！」

黒「うおぁぁああ！？」






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