「そっち側にいるべき人間じゃない…かぁ。じゃあ私は一体どっち側に来るべきの人間なのかなぁ♪」


突然の声に気づくことができなかった平子は、驚きの表情を浮かべながら、後方を振りむいた。



なんやねんあの嬢ちゃんは……
気ぃつくこともできひんかった…
霊圧も完ぺきに消してまうなんて、何モンや？


平子は彼女のことを警戒しながら視線を外すことをしなかった。
しかし、緊張感あふれるこの状況を、幸恵は気にも留めなかった。


「いや～～♪まさか真子に会えるなんて願ってもいなかったよｖｖしかも生だもんなぁ！あ、私ね海藤幸恵っていうの♪真子には会いたいって思っていたんだｖこれを期に仲よくしてね！あ、もしよかったら今度真子の仲間にも合わせてよｖ」



平「………ι……よ、ようしゃべる嬢ちゃん…やなι」


黒「…まぁ、…いつもこんな感じだι」


彼女のマシンガントーク改め、自己紹介を済ませると、あまりのしゃべりっぷりに平子ですら割って入る隙を見つけることができなかった。


平「くくく♪でもまぁええわ！幸恵ちゃんやったな。気に入ったわ！俺の彼女になりぃ」


黒「Σなっ！？勝手なこと抜かすな！＃」


平「うっさいやっちゃのぉ。別に一護の女ちゃうやん」

黒「それでも駄目にきまってるだろ！！」



二人は本来話していたことを忘れ、今は幸恵のことについて言い争いをしていた。


「二人とも、私のことで争わないでｖ………って言いたかったんだけど、いいの？虚が暴れているよ？……しかも結構大きな…ね♪」



幸恵の言葉に馬鹿デカイ霊圧に気付いた二人は驚きの表情を隠すことはできなかった。
一護はその霊圧に気付くと、平子のことを無視してその場から移動した。




「さて、じゃあ私もここいらで引かせてもらいますか」


（そろそろ喜助さんたちも一心さんのところにいると思うしね）


幸恵は喜助たちの霊圧を感じ取ると、自分のその場所に向かおうとした。


平「ちょい待ちぃや嬢ちゃん」


「ん？」


平「あんた何モンや？霊圧と見た目死神っぽいけど、なんや違和感感じるんや……それにその霊圧……」


平子は幸恵を隅々まで観察するかのようにｼﾞﾛｼﾞﾛとみていると、幸恵はクスリと笑った。



「ほんと、私って何なんだろうね♪でも、確実に言えるのは、大切な人を守る存在であるってことかな♪じゃ、またね」



優しい笑みを浮かべた幸恵は瞬歩でその場から姿を消すと、三日月だけが平子を照らしだしていた。






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