氷で覆われた白銀の世界は、無残にも赤く染められてしまった…。


一瞬の出来事に日番谷はどうする事も出来ず勢いよく血を噴き出して地に崩れ落ち、あたり一面は静けさに包まれた。





「………し…ろちゃ…ﾊｧｯ…」



雛「幸恵ちゃん！動かないで！…今鬼道で直すから！！」



藍「…いい眺めだな。季節じゃないがこの時期に見る氷も悪くはない。さて行こうかギン…そして幸恵君――――」



「「っ！！」」



藍染は意識のない日番谷をよそに、幸恵の元へ歩み寄ろうとしたその時だった。



卯「やはり此処でしたか藍染隊長……いえ最早゛隊長”と呼ぶべきではないのでしょうね。大罪の罪人藍染惣右介」



静かな気配と共に副隊長を連れて姿を現したのは四番隊の卯ノ花隊長と勇音だった。


藍「どうも卯ノ花隊長。超えられるとすればそろそろだろうと思っていましたよ。すぐに此処だと分かりましたか？」


卯「如何なる理由があろうとも立ち入ることを許されない完全禁踏区域は瀞霊廷内にはこの清浄塔居林ただ一か所のみ…貴方があれほどまでに精巧な『死体の人形』を作ってまで身を隠そうとしたのなら、その行く先は瀞霊廷内で最も安全で見つかりにくい此処を置いてほかにありません」


藍「惜しいな。読みは良いが間違いが二つある。まず一つ目に僕は身と隠すために此処へ来たわけじゃない。そしてもう一つ…――――これは『死体の人形』じゃない」



藍染は薄ら笑みを浮かべ、二人の目の前にもう一人の自分を取り出して見せると、卯ノ花達は驚きのあまり大きく目を見開いた。



「「ッ！」」


勇「…い…いつの間に―――…」


藍「何時の間に？…この手に持っていたさ、さっきからずっとね。ただ…今この瞬間まで僕がそう見せようとしていなかっただけの事だ」



卯ノ花たちは藍染の言葉に訳が分からないといった表情を浮かべていると、彼は二人の目の前で真実をあかした。







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