そのころ雛森は、幸恵の予想通りギンと清浄塔居林にいた。


雛「どうして私をこんなところに…？市丸隊長…」


市「今迄ここへ来たことは？雛森ちゃん」


雛「そんな…ここは完全禁踏区域じゃないですか…見るのも初めてです…」


少しおどおどしながら雛森は市丸の後ろを付いていくと、薄暗い部屋に入ったところで再び話した。



市「…逢わせたい人おんねん」


雛「…逢わせたい…私に…ですか？」


市「そうや…ほれ、見てみ後ろ」



ギンの言葉を聞いて、不安な気持ちを抱いたまま、雛森はそれに従うようにユックリと後ろを振り向くとそこには……




雛「……あ………藍染……隊………長」



予想もつかなかった登場人物に雛森は我目を疑った。
自分の視線の先には心から慕ってきた藍染の姿があり、死んだと思っていた本人はいつものようにやさしい笑みを浮かべて雛森に話しかけてきた。



藍「…久し振りだね…雛森君」



雛「…本当に…藍染隊長なんですか…？亡くなられた筈じゃ…」



今目の前に居る藍染を見て、未だに信じることができない雛森は、声を震わせ目に涙を浮かばせていた。



そして雛森は覚束ない足取りで一歩ずつ藍染に近づこうとしたその時…




「桃ちゃん！！そいつから離れて！！！」


゛シュンッ！”


雛「Σっ！！」



何とか雛森達に追いつくことができた幸恵は、瞬歩で雛森を藍染から引き離すと、彼女を守るようにして自分の背後に隠した。









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