あの時……市丸隊長に乱された心にも


少しずつ静けさが戻ってきている……


総隊長殿の約束のお陰か


あるいは




心乱し、無様にも生に縋りつこうとする私を



兄様は一分の隙も無く突き放してくれたお陰かも知れぬ



ル「……ありがとうございます……兄様…」


そして次の瞬間、ルキアの手の縄が解かれるとフワッと体が浮き出し、磔架の上へと徐々に移動していった。


暫くして当たりに重苦しい空気が流れたそのとき、大きくそびえ立っていた矛は、まるで竜がうねりを上げているかのように炎に包み込まれると、徐々に姿を変えていた。


蜂「矛を……」


勇「炎が包んで…形を変えていく…！」


京「…こいつは驚いたね……」



ルキアの目の前にはまるで鳳凰のような巨大な炎の鳥が姿を表した。
その美しさはまるで見るもの全てを魅了し罪深き者でさへも己の罪深さに頭を垂れてしまうほどの存在と迫力だった。


山「燬鷇王……双極の矛の真の姿にして極刑の最終執行者。彼が罪人を貫くことで極刑は終る」







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