山「……良かろう。お主の願い通り…処刑の終ったあかつきには…旅禍どもを無傷で帰らせてやろう」



ル「…あ……ありがとうございます……」


ルキアはホッとしたようで、でもどこか寂しげな表情を浮かべながら、自分の願いを聞いてくれた山ジィに礼を言った。


しかしその傍ら、四番隊副隊長の勇音はどこか納得がいかない感じを抱いていた。



勇「…ひどい……どうせ生かして帰す気なんてないくせに……」



卯「非道くなどありませんよ勇音。慈悲です…何れ避れぬ終焉（しゅうえん）ならば…せめて僅かでも迷い無く。せめて僅かでも…安らかに」




ルキアは覚悟を決めてそっと目を閉じると、とうとう処刑が始まった。





山「双極を…解放せよ」




「見ろ！」


「双極が……！解放された…！」




双極の矛に巻かれてあった縄が解かれると、一瞬辺りには物静かな空気が立ち込めていた。


ルキアの目の前にそびえ立つ矛は視界に入りきれない程、とても大きく、そしてとても迫力のあるものだった。






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