37話 月夜の烏
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”ギィィイイ”
烏「やぁ、僕の愛しのウサギちゃん
淋しかったろ?」
「…………」
烏「ほら、今日は君の為に花を買ってきたんだよv
君の綺麗な髪の様にとても美しい黒い薔薇だよん」
「………烏…哭…」
烏「……いつ見てもホントに綺麗だ
ねぇ…その口で、その声でもっと僕の名前を呼んでよ
………名無し」
此処がどこ何かは分からない…。
薄暗く此処が何なのかすら分からない、見覚えの無い部屋の中央に、虚ろな瞳でシーツに包まった女性がいた。
室内は殺風景で、必要最低限のテーブルにソファ、部屋の中央にはキングサイズのベッドがあり、そして、そのベッドを囲む様にして黒い薔薇が敷き詰められていた。
彼女の名前は名無しーー。
目の前にいる男、烏哭によって拉致監禁されていた。
彼に捕まる前は、街の中心街で平和に暮らしていた。
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毎日近所の人たちと他愛も無い話しをし、行きつけの市場ではその日に入った新鮮な野菜や果物を買い、家に帰れば趣味の編み物をしたりと平凡な日々を送っていた。
これからも何も変わらず、毎日平凡な日がやってくると思っていたが、この日だけは違っていた。
星が綺麗だったので夜の散歩をしていると、彼女の目の前には黒い法衣を着て、不敵な笑みを浮かべた烏哭の姿があった。
烏【こんばんわ…ウサギちゃん】
【…誰?】
烏【こんな時間に一人で出歩くなんて危ないよ?
ーーこんな満月の夜には…
質の悪い烏がうろうろしているからね】
【……か…らす】
【クスっ……僕は烏哭
ちゃんと覚えておいてね】
【…Σっ!!】
先ほどまで綺麗な星空が一面に広がっていたが、次の瞬間鈍い痛みとともに名無しの意識は遠のいていった。
彼女がその瞬間見たのは、月明かりに照らされた不気味な笑みと、烏のような黒く吸い込まれそうな瞳だった。
***********
烏「君は本当に綺麗だ
……その口から、もっと僕の名前を呼ぶ声を聞きたいよ」
烏哭はベッドの上にいる名無しの頬にそっと触れると、そのまま親指で彼女の唇をそっと撫でた。
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