34話 まるで烏のように
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ヘイ「…っ…ただいまぁ/////」
「おかえりお兄ちゃん…って∪
お酒臭っ!そしてずぶ濡れじゃない!」
深夜1時頃、ヘイゼルは酔っぱらって自宅へと帰って来た。
彼の帰りを待っていた名無しは、ヘイゼルがずぶ濡れになっている事に驚いて、急いでタオルを取りに行った。
夜になって雨脚は強くなり、深くなるに連れて外は土砂降りになっていた。
そしてヘイゼルは虚ろな眼で顔を赤く染め、髪からは水が滴り落ち、いつものオールバックのヘアースタイルは崩れていた。
「お兄ちゃん、タオル持ってきたからこれで拭いて!」
ヘイ「ンっ…おおきに////」
ヘイゼルはタオルを受け取り、バサリと自分の頭にタオルをかけると、フラフラとした足取りでリビングへと向かいソファに座り込んだ。
「おおきにじゃなくて、ちゃんと拭かないと風邪引いちゃうじゃない∪」
項垂れる様にしてソファに座ったヘイゼルを見て、「仕様が無いなぁ」と名無しは彼の前に立つと、頭にかけてあるタオルで髪を拭いた。
「お兄ちゃんがこんなに酔っぱらうなんて珍しいね?」
ヘイ「ん~…そんな事…あらへんよ/////」
「連絡してくれたら傘持って行ったのに」
そう…
確かにうちは、こんなん酔うほど飲んだりせえへん
名無しが驚くのだって無理も無い
せやけど…今日の闇はうちの心をかき乱しそうやったから…。
うちの中に潜む欲が…闇に支配させそうやったから
「…ちゃん?…お兄ちゃん?」
ヘイ「Σっ…あ…どないしたん?/////」
「ボーッとしてどうかしたの?」
ヘイゼルは名無しの何度かの呼びかけにハッとし顔を上げると、心配そうに顔を覗き込んでくる名無しの表情に一瞬ドキッとした。
名無しはフィルバード司教の元でヘイゼルと一緒に教会に暮らしていた。
幼いころ両親を亡くし、身寄りの無かった彼女を引き取って以来、ヘイゼルは名無しを妹の様に接してきた。
そして二人の親的存在であったフィルバード司教が亡くなってからも二人は一緒に生活をしていた。
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