33話 親子から…
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長かった一日も終わり、雲一つない夜空には闇夜も照らしだす満月が顔をのぞかせ、心地よい風が小さくススキを揺らしていた。
「こんな日に飲むお酒もまた風情があって良いもんですね」
私は部屋の前の縁側で月見酒をしながら、今日一日の疲れを癒していると、部屋の奥からは眠たい眼を擦って小さいあくびをしながら名無しが近づいてきた。
「父さん…まだ寝ないの?」
光「えぇ、この一本が無くなったら私も寝ますよ。
ほら、体が冷えてしまいますから、名無しは先にお布団へ入っていなさい」
「ん~……そうする。
おやすみ父さん」
光「おやすみなさい」
こうやっていつまで名無しといられるのか時々考えてしまう。
永遠に親子でいられるわけでもない。
彼女だっていつか好きな人ができて、結婚していってしまう。
江流は…まぁ、歳も近いですしあり得そうですね。
それとも朱泱……あんなオッサンは私が許しませんけどね。
「…ぁ…もう無くなっちゃいましたね」
考え事をしていると、トックリの中のお酒が空っぽになっていたため、私は体が冷えてしまう前に室内へと戻った。
部屋の中央には一組みの布団が敷かれてあり、一足先に眠った彼女の姿があった。
秋から冬にかけては名無しが寒いからと言って私と一緒に寝る様になっていたが、こんな複雑な気持ちのまま一緒の布団で寝るのはどうかと思っていた。
…ん~…ま、考えていても仕方ないですね。
いつもの様にそっと布団に入ると、名無しは無意識に体をすり寄せてきた。
その可愛さに思わずクスッと笑いをこぼすと、私は彼女の小さい体をギュッと抱きしめた。
…このまま…私のモノにしてしまったらどれだけ良いことでしょう。
どうせ血は繋がっていない
たとへ、この気持ち仏の道に反しているとしても、私は名無しが欲しい……。
そう思った瞬間、私は隣で眠っている名無しにそっと多いかぶさると、その柔らかそうな唇に自分の唇を重ねた。
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