33話 親子から…
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「あはは♪それでね江流ったら」
あぁ、やっぱりいましたね。
私は中庭に所に足を運ぶと、そこには案の定名無しと朱泱が楽しそうに談話していた。
朱「はははっ!アイツもまだまだガキだからな!」
朱泱も名無しとは仲が良く、二人で笑い合っている姿は、親子や兄妹というよりは恋人の様な感じにも見えてしまう程だった。
光「名無し、こんな所にいたんですか?」
「あ、父さん!」
私は二人の間を裂く様に名無しに声をかけると、私に気づいた名無しは太陽の様な笑顔で駆け寄ってきた。
朱「なんだよ~。
折角名無しと話してたのに保護者の登場ってか?」
光「クスっ、私の可愛い名無しが無精髭のオッサンの毒牙にかかってはいけませんからね」
朱「おっさんはお互い様だ
さて、保護者も来てしまった事だし、俺は坊主どもの修行でもみてやっか」
朱泱は「じゃあな」といって稽古場に向かうと、私と名無しも部屋へと戻った。
軽い足取りで廊下を歩いている名無しの後ろ姿を見ていると、多少なりともあどけない所はあるが、それでも時折見せる表情は少しばかり大人びた感じもあった。
その度に私の心は大きく揺らぎ、こんなに歳の離れたいい大人が、血がつながってなくても娘に恋心を抱いてしまうだなんて思ってもいませんでしたよ。
一緒にいられるだけで十分だった。
私を「父さん」と呼んでくれるだけで幸せだった。
手を握り、可愛らしい笑顔は常に私に向けられていた。
でもそれ以上のものを求めてしまう私は父親として失格なのかもしれませんね。
「…ん……さん……父さん!」
光「っ…ぁ……えっと∪
何ですか?」
「何ですかじゃないわよ∪
部屋に着いたのにずっとボーッとしてるんだもん!」
いろいろ考え事をしていたせいか、部屋の前で動きを止めてしまった名無しが心配に思い、何度か私の事を呼んでいたらしい。
何回目かの呼びかけに私はハッとすると、いつもの様にニコッと笑って誤摩化した。
「もしかして体調でも悪いの?」
光「いえ、そんなこと無いですよ。
ただちょっと考え事をしていたんです」
「まぁ、それなら良いんだけど
……あまり無理しないでね父さん」
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