33話 親子から…
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光「めっきり秋ですねぇ」
江「そうですね。
それよりもまたこんな所でタバコ吸ってるんですか?」
「良いんですよ。
どうせ誰も見ていませんから」
江「俺が見てますけど?」
光「江流は大丈夫ですよ♪」
江「何ですかソレ∪」
私はいつもの様に隠れてタバコを吹かしていた。
季節は秋。
銀杏の葉も秋が深まったと同時に黄色に染まり、風が吹く度にヒラヒラと舞い落ちてきた葉は絨毯の様に地面を黄色に変えていった。
見ているだけなら風情があり、とても綺麗なのですが、私の愛弟子である江流はそんな事もおかまい無しにホウキで地面を履いていった。
光「そう言えば名無しは一緒じゃないんですか?」
江「名無しでしたら先ほど朱泱と一緒でしたよ」
光「朱泱とですか…。
あの子も困ったものですね」
名無しは私の養子で、5年前に寺院の前で倒れていた所を私が見つけ、身寄りのない彼女を養子として迎え入れる事となった。
寺院は女人禁制なので、当然周りからは反対の声も上がったのですが、そこは三蔵の特権ですよね♪
初めはそうだったのですが、私が決めた事なので最終的には皆さんを黙らせましたよ。
それからというものの、名無しは此処の暮らしにも少しずつ慣れて行き、他の僧侶達とも仲良くなっていった。
まぁ、親としては嬉しいものですが、彼女が成長をして行くに連れて、私の中で何かが芽生え出してきていた。
娘として育てて行くと決めた筈なのに、日に日に美しくなって行く名無しを見ていつの間にか親心から恋心となっていた。
だからでしょうか?
先ほども江流が「朱泱と一緒にいた」と、言ってた事を聞いて、私は内心小さな嫉妬心を抱いていた。
表では平常心を保ちつつ、私は「後は宜しくお願いしますね」と江流に言い残し、少しばかりの急ぎ足で彼等の所へと向かった。
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