19話 境界線
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
重苦しい気配に目が覚めた。
「っ……ここは」
見慣れない風景が視界に入り、未だボーっとしている頭をなんとか働かせようと、少しづつ整理をしていく。
「そういえば…私」
***********
昼間の出来事だった。
未来は土砂降りの雨の中、3体の妖怪から必死に逃げていた。
視界はとても悪く、その上、足元は水分を十分に含んだ地面が未来の足を奪い邪魔していた。
「ハァッ…ハァッ…だ、誰か」
「ひゃははは!!女だぁ!捕まえろぉ!」
大分息も上がり、先ほどよりも若干スピードが落ちてきているのも分かっていた。
しかし、その間も妖怪と彼女の距離はだんだんと縮まっていき、体力の限界だった未来もとうとう泥濘(ヌカルミ)に足を奪われ倒れてしまった。
「観念したようだなぁ」
「大丈夫、俺達が楽しませてやるからよぉ!」
ジリジリと近づいてくる妖怪に今まで感じたことのない恐怖心を抱くと、自然と涙が流れおちた。
「い、…いやっ…誰かぁあ!!」
カタカタと震える唇を必死に動かし、いるはずのない誰かに助けを求めたその時だった。
「お困りの様ですねお嬢さん。我が貴方をお助けしましょう」
「…――え?」
突然全身黒づくめのマントで身を隠している男が、未来と妖怪たちの間に現れた。
気配もなく現れたその男に対して皆が大きく目を見開いていたが、未来は助かったという安堵から徐々に意識を失っていった。
「大丈夫ですよ、貴方は我が守って差し上げます。だから……暫し…御休息を」
その記憶が彼女の最後の記憶だった。
***********
「そっか、じゃあ私は」
何とか落着きを取り戻した未来はベッドから起き上がろうとすると、突然部屋の扉が開くと一人の男が姿を現した。
「目が覚めたようですね。気分はいかがですか?」
「あ、…貴方は」
「紹介が遅れました。私は清一色と申します……未来さん」
「っ…なんで…私の名前……Σ!!?…あ、貴方…妖怪…――?」
彼女が目にした男の耳は尖っており、彼が妖怪だという事は一目瞭然だった。
.
「っ……ここは」
見慣れない風景が視界に入り、未だボーっとしている頭をなんとか働かせようと、少しづつ整理をしていく。
「そういえば…私」
***********
昼間の出来事だった。
未来は土砂降りの雨の中、3体の妖怪から必死に逃げていた。
視界はとても悪く、その上、足元は水分を十分に含んだ地面が未来の足を奪い邪魔していた。
「ハァッ…ハァッ…だ、誰か」
「ひゃははは!!女だぁ!捕まえろぉ!」
大分息も上がり、先ほどよりも若干スピードが落ちてきているのも分かっていた。
しかし、その間も妖怪と彼女の距離はだんだんと縮まっていき、体力の限界だった未来もとうとう泥濘(ヌカルミ)に足を奪われ倒れてしまった。
「観念したようだなぁ」
「大丈夫、俺達が楽しませてやるからよぉ!」
ジリジリと近づいてくる妖怪に今まで感じたことのない恐怖心を抱くと、自然と涙が流れおちた。
「い、…いやっ…誰かぁあ!!」
カタカタと震える唇を必死に動かし、いるはずのない誰かに助けを求めたその時だった。
「お困りの様ですねお嬢さん。我が貴方をお助けしましょう」
「…――え?」
突然全身黒づくめのマントで身を隠している男が、未来と妖怪たちの間に現れた。
気配もなく現れたその男に対して皆が大きく目を見開いていたが、未来は助かったという安堵から徐々に意識を失っていった。
「大丈夫ですよ、貴方は我が守って差し上げます。だから……暫し…御休息を」
その記憶が彼女の最後の記憶だった。
***********
「そっか、じゃあ私は」
何とか落着きを取り戻した未来はベッドから起き上がろうとすると、突然部屋の扉が開くと一人の男が姿を現した。
「目が覚めたようですね。気分はいかがですか?」
「あ、…貴方は」
「紹介が遅れました。私は清一色と申します……未来さん」
「っ…なんで…私の名前……Σ!!?…あ、貴方…妖怪…――?」
彼女が目にした男の耳は尖っており、彼が妖怪だという事は一目瞭然だった。
.