「「焔ぁ！！」」


俺の視界には紫鴛と是音の声が聞こえてきた。
必死にやつ等は腕を伸ばそうとしたが間に合わず、俺の身体は空から降る雨と同じように崖の下へと落ち始めた。



…良かった……


リトルが無事なら…




怪我をしていなかったリトルを見て俺の身体は落ちているにもかかわらず、そのときは笑っていたんだろうと自分でもわかる。




このまま落ちてもリトルが金蝉と幸せになってくれるならそれでいいと、心のどこかではそう思い、そっと目を閉じた。



「焔ぁぁあ！！」



焔「……∑なっ！！？」




だが次の瞬間自分の名前を呼ばれ目を開けてみると、自分の上からリトルが飛び降りてくるのがわかった。




…なぜだ？


……なぜ俺を追ってきた？



リトルにとって敵である俺など放って置けば良いものを


だが内心思っていることとは裏腹に、俺は一緒に落下するリトルを守るようにしてギュッと抱きしめた。



……それから俺達がどうなったのかは分からない……そのときには意識もなく、俺達は暗い闇へと引きずり込まれた。









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