そう…あれはいつもと同じように三蔵一行の所に経文を奪いに行ったときだった。

バケツの水をひっくり返したんじゃないか・と思うぐらいの大雨で、視界も悪く打ち付ける冷たい雨は、容赦なく三蔵一行と俺達三人を濡らしていった。



本来なら今日みたいな日には出たくはなかった…でも、それでも一日でも早く経文を手に入れたいと願う気持ちと愛しいリトルに逢いたいという気持ちには逆らえず、気が付いたら体が勝手に下界へと向かっていた。



三「何度来たって経文は渡さん」


浄「はぁ～なんツーか学習しないねぇ」



焔「黙れ金蝉！俺は経文を手に入れるまで何度でも来てやる！」



三「だから俺は『金蝉』じゃねーと言ってるだろ」


雨が俺の服を濡らしていくたびにズシリとした重みが増し、とても動きずらかった。
だが俺はそんなことはお構いなしに青龍刀をだし、いつもと同じように金蝉に切りかかって行った。




「ねぇ！三蔵を止めなくて良いの？さっきも妖怪の襲撃があってその上雨で体力を消耗してるわ！」


八「止めたいのは山々ですけど、この三人が現れてしまっては後には引けないんですよ」


浄「そ！それに紫鴛と是音もかなりやる気みたいだしね」


空「危険だからリトルはここに居ろよな？」




フン…どんなに四人で俺達に向かってこようとも、人間と神の力は歴然！今日こそ経文を頂く！！




俺は青龍刀を振り上げ、大分息を切らしている金蝉を圧倒的に押していった。


焔「どうした金蝉！もう体力の限界か？大分辛そうだな？」







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