56話 必要としていたのは…俺の方だった。
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【『汚れ物が今更綺麗事ぬかすな
雑巾には雑巾の役割があるだろうが』ってね】
【汚したくないとか綺麗ごとをほざく前に、三蔵も雑巾らしく今自分がやるべき事をやったらどうなんですか?】
ーーあぁ、全くだな。
「ご、ごめんなさい∪
私何か気に触るような事しましたか?」
ずっと抱きいめていたまま黙っている俺を見た名無しの声色は少し不安気だった。
俺は名無しから体を離し右手でコイツの頬にそっと触れた。
三「俺はただ何かに理由を付けて逃げていただけなのかもしれねぇ
逃げてるくせに追いかけて…離れていけば不安になって…。
自分でも矛盾している事ぐらい分かってたんだ。
分かってるが不安になる」
「……あんなに強くて…悟浄さん達に銃を乱射して、誰にでも悪態をついている三蔵さんでも不安になる事ってあるんですね?」
三「…俺を何だと思ってやがる…と言いたいが、今回は俺でも言い返せねぇ」
「?」
三「俺もあいつらと同じ汚れ物でな。
今更綺麗事を言った所で過去を変える事なんてできねぇ…。
だが、俺は…この手でお前に触れてしまったら汚してしまいそうで怖かったんだ
この血にまみれた手で触れる事が…。
でもそれ以上に怖かったのは…俺の元から名無しが離れて言ってしまう事だ
…俺は……「私は三蔵さんから離れていったりはしませんよ」
三「…っ」
「私は何処にも行きませんし、三蔵さんから離れたりもしません
もし私に触れて汚れると思うなら汚してくれてもかまいません。
三蔵さんの色に染まるのでしたら、それは汚くもなんともなんですから。
大好きな人と同じ色に染まる事ができるのでしたら、それは本望です」
三「…っ!
それは…どういう」
「はっきり言わないと分かりませんか?
私は三蔵さんのことが………ンっ」
コイツが何を言おうとしているのかぐらい俺でも分かった。
ーーだから言わせねぇためにも俺は自分の唇を名無しの唇に重ねて阻止した。
三「言わなくても分かってんだよ
ーー俺も名無しが好きだ
お前が側にいてくれるなら…俺はもう何も不安になるような事はねぇよ」
「大丈夫です
これからはずっと一緒です
大好きですよ三蔵さん」
END
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おまけ話し
次の日ーー
浄「お宅らやっとくっついたのかよ
いい加減イライラしていたんだぜ?」
八「全くですよ
僕達の身にもなってほしいものです」
空「でも二人が付き合うようになって良かったな!」
「フフっ、三蔵ったらいつまでたっても告白してくれないから、私から言おうかと思ったんですよ」
三「名無し、お前俺の気持ちを知っていたのか?∪」
「もちろん♪」
八「だから昨日言ったじゃないですか」
【気付いていないとでも思っていましたか?
三蔵の行動は分かりやすいですからね。
皆気付いていますよ。】
八「三蔵って本当に…」
「「「「分かりやすい」」」」
三「…∪#」
END