56話 必要としていたのは…俺の方だった。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
八「…ぞ……三蔵」
三「っ…あぁ?」
八「ハァ〜∪…『あぁ?』じゃないですよ三蔵
何度呼んだと思ってるんですか」
何度か俺の名前を呼んでいたらしい八戒の声に一瞬ハッとし視線を奴に移すと、先ほどまで悟空に勉強を教えていたのか、本を片手に呆れた表情を浮かべた八戒が俺の目の前に立っていた。
つーか何度呼んだかなんて知らねぇよ
こっちは昨晩から殆ど徹夜で書類をまとめてたんだよ#
これも全部あのバカ猿が大事な書類に墨汁を零したせいだ##
三「何だ?」
八「この前頼まれていた蔵の整理と、この前妖怪の被害にあった村の復興についてですが…」
あぁ…そういやそんな事八戒に頼んでいたな。
んな事ここにいる僧侶にでも任せておけばよかったんだが、どうも使えねぇ奴ばかりだからな
八「…って聞いていますか?三蔵」
三「…∪
チッ……村の復興については材木を隣村の業者に頼んでいるから明日以降にはこっちに入ってくるだろう。
そっちには悟空と悟浄を向かわせる
蔵の整理は名無しと八戒に任せる」
八「以前は悟空と悟浄に任せて大変な事になりましたからね
今回もメチャクチャにされちゃあたまりませんし、その割り振りが妥当かもしれませんね」
三「これ以上面倒な仕事を増やされても迷惑だからな
ーーそういや名無しはどうした?」
八「名無しさんなら今僕の家ですよ」
三「…は?何故だ?」
八「さっき悟空でも簡単に読めそうな本がある事を教えたら、どうしてもすぐに読みたいって言い出しちゃいまして。
そしたら名無しさんが「本を取りに行くぐらいなら私が行ってくるよ」と言って取りに行ったんですよ。
まぁ、家には悟浄がいるから別に心配は…」
”ガタンっ!”
八戒の言葉を聞いた瞬間俺はさっきまで座っていた椅子から勢いよく立ち上がると、その反動で大きな音を立てながら後ろに倒れた椅子を無視して俺は部屋を飛び出していった。
八「あ、ちょっ…三蔵!?」
遠くで八戒が何か叫んでいやがったが俺はそんな言葉を聞き流し、先ほどまで早歩きだった脚はいつの間にか全速力で八戒の自宅へと進ませていた。
悟浄がいるから心配ねぇだと!?
ふざけんな!
あのエロ河童だから心配に決まってんだろうが#
アイツが名無しにいつも付き纏っているのは知っていた。
寺院に来りゃあ名無しの事を探していたし、しつこくナンパばかりしてやがるから、俺がその度に銃で脅していた。
なるべく名無しとあのゴキブリ河童を二人っきりにしないように注意をしていたが#
三「あのクソ河童…#
名無しに手ぇ出しやがったら殺してやる##」
.