54話 溶けゆく雪とともに
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
紅「っ…どうした?/////」
「そう言えば紅孩児は最近ちゃんと休めてないんじゃない?」
紅「…なぜそう思う?」
「そんなの顔見れば直ぐに分かるわよ
ーーいつもあなたの事見てるんだから」
紅「…っ!」
「玉面公主から与えられた任務も大切な事だと思うけど、ちゃんと体を休める事も大切だよ
今日も怪我していたみたいだし」
名無しはテーブルの上にあるお香に火をつけると、仄かに甘い香りが部屋中に充満しはじめた。
すると先ほどまで何も無かったが徐々に意識が朦朧とし、俺は重くなる瞼を閉じまいと必死に耐えていた。
紅「っ…名無し……これ…は…」
「心配しなくても大丈夫だよ
このお香は安眠とリラックス効果のある物だから…。
休んでと言っても紅孩児の事だから言う事聞かなそうだもん
ーー今だけでも少しぐらいはゆっくり休んで」
彼女の優しい声が耳に入ってくる度に、俺の意識は遠くなっていった。
最後に視界に映り込んだ名無しの表情はとても優しく、まるで母上が微笑んでくれているかの方だった。
*
*
*
*
*
*
【見ているだけか?】
…独角
【見ているだけで……それでいいのか?】
…何を…言って……。
【母親の時のように…ただ見ているだけで…
…何も行動にする事は無い】
ーーっ…!
【空を舞う雪の様にただ見つめているだけ……触れれば溶けて消えてしまう…】
名無し!?
【ーーねぇ…紅孩児……私もいつかは消えてしまう
貴方は妖怪で…私は人間……ずっとここにいる事なんて出来ない…】
そ…そんなの関係ない!
【本当にそう思う?
…貴方は言った……『俺は妖怪で名無しは人間だ…初めから通じるものはない…』…と…
貴方自身が独角児さんに言った事よ】
…それは…
【私は……もっと…もっと…貴方と一緒にいたかった…。
でも…貴方がどんなに否定しても……もう遅すぎたのよ
…共存なんて出来ない】
待て!!
俺は名無しと…!!
.