53話 夢から覚めれば
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【三蔵…ンっ…んぁ】
”チュ…クチュ”
三【っ…ハァッ…名無し】
その暖かく、柔らかい唇に触れる感触が
凄くリアルで…
俺自身夢だという事すら忘れていた。
口内で名無しの舌を絡めとり、お互いの荒い息づかいがその空間に木霊する…。
悟浄じゃあるまいし…欲求不満なのか?
そんな余裕のある事を考えつつも俺は名無しの後頭部に手を回し、ガッチリ固定すると何度も深々とキスをした。
【……三蔵】
三【………】
【私に何か言う事があるんじゃない?】
目を潤ませ、見上げてくる名無しの瞳に引き寄せられ、俺は視線を逸らす事すらもできなかった。
名無しの品やかな指が俺の頬へと伸びてき、その指は頬から唇へと添わせてきた。
三【ーー俺は……
お前のこと……
ーーーお前のことが】
***********
三「…す
………………また…夢…かーー。」
名無しに何かを言おうとした時、いつも目が覚めてしまう。
言い終わる前に…最後まで言えず……。
同じ所で現実の世界に引き戻される…。
夢であっても正直気分が悪い。
何度あの夢を見ているか分からねぇ。
何度名無しのあの瞳に吸い込まれそうになったか分からねぇ。
でも…ただ一つ…。
いつも感じるのは、あの暖かく柔らかな唇の感触だけだった。
.