51話 その傷の証
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
空「名無し!ほらほら此処に小鳥の巣があるんだぜ!♪」
「え?どこどこ!?」
いつものあの場所、いつもの桜の木の下に名無しはいた。
あの子供…確か金蝉の所にいた……確か悟空だったか。
あの子供に呼ばれ、名無しが導かれるように木の上に登っていく姿を見て、俺も気が気じゃなかった。
普通なら見て見ぬ振りをしてその場から去っていくが、相手は俺が探していた名無しだ。
あの高さから落ちれば当然怪我するだろう。
そもそも…いつも一緒にいる金蝉達はどうした?
もし名無しの身に何かあったらどうする気だ?
空「名無しもうちょっとだから気をつけろよ!」
「待ってよ悟空!∪」
一歩一歩登っていく姿を見ていた俺は、その場から動けずただ見守っていた。
落ちないでくれ
怪我しないでくれと祈るばかりだった。
しかし俺のそんな願いも虚しく終わった。
”バキッ!”
「Σキャァっ!」
空「Σ名無し!!」
敖「Σっ!!」
彼女が脚をかけていた枝がバキッと音を立てて折れると、重力に逆らう事無く高い位置から落ちていった。
俺は声を発するよりも自身の体が先に動いてしまい、急いで名無しの元へと走った。
そしてーー。
”ドサッ!”
敖「グッ」
「っ!!」
滑り込んで何とか名無しを受け止める事に成功した。
敖「大丈夫か!?怪我はしてないか!?」
「Σご、敖潤さん!
私は大丈夫です…それよりも敖潤さんは!?」
まさかこれが俺と名無しの初めての会話になろうとわな。
それにしても…軽いなーー。
俺は名無しが無事だった事に安心したのと同時に、彼女のその軽さに驚いた。
.