50話 彼氏<猫
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その日、外はとても酷い大雨だった。
お昼過ぎから雲行きが怪しくなり、黒くて分厚い雨雲が空一面を覆っており、いつでも雨が降りそうな感じがした。
そして時間が流れていくと同時に、初めはポツポツと雨が落ちてきたが、それもあっという間に土砂降りへと変わっていった。
大粒の雨が勢いよく地面に落ちていき、ゴロゴロと雷まで鳴る始末だった。
浄「こりゃ本格的に降ってんな」
八「天気予報では降水確率50%って言ってたんですけどねぇ
最近の天気予報はあまりあてになりませんよ」
悟浄の家では八戒が珈琲を入れながら外に視線を移し、悟浄はいつものようにタバコを吹かしながらソファで寛いでいた。
浄「それにしても名無しちゃん大丈夫かぁ?
雨が降る前に帰ってくるっつって出て行ったけど、これじゃ帰って来れねぇか、ずぶ濡れで帰ってくるかのどちらかだぜ?」
八「多分通り雨だと思うので、何処かで雨宿りをしててくれたら良いのですが…。
ちょっと心配ですね」
悟浄は自分の可愛い彼女である名無しの事をとても心配していた。
彼女の行っている場所が分かれば、傘を持って直にでも迎えに行けるのだが、入れ違いになっしまうかもと思うと、下手に家から出て行く事が出来なかった。
ーーと、その時だった。
”バタン!”
「ただいまぁ!」
八「名無しさんお帰りなさい!
大丈夫ですか!?
タオル持ってきますから待っててください!」
浄「うわっ!すげぇびしょ濡れじゃねぇか!∪
名無しちゃんどっかで雨宿りしてこなかったのか!?」
「あはは∪
雨宿りしようと思ったんだけど、帰ってくる途中どこも雨宿り出来そうなところが無くて∪
それに途中でこの子もびしょ濡れで震えていたから可哀想になっちゃってさ」
浄「…ん?」
名無しの腕の中には服に包まれた何かがあり、その中には白い子猫の姿があった。
八「子猫を拾ってきたんですか?」
八戒は持ってきたバスタオルで名無しの体を包み込むと、彼女の腕の中ではニャーニャーと子猫の鳴き声がしていた。
「うん、寒さで震えていたし、一人ぼっちみたいだったから連れてきちゃったの
ねぇお願い!
この子お腹も好いてて弱っているし、此処で飼っちゃ駄目?」
浄「え?…いや…動物は∪
急に言われてもなぁ〜∪
どうするよ八戒」
「お願い!
私ちゃんと面倒見るから!
責任もってお世話だってするから!
八戒や悟浄に迷惑だってかけないし、躾だってちゃんとする!
だからお願い!!」
名無しは二人に必死になって懇願すると、普段彼女に対しては何でも「良いですよ♪」と言ってきた八戒だったが、この時ばかりは何かを考えているような表情をしていた。
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