49話 右と左は恋敵
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「ねぇ君、1人?」
「……え?」
露店から離れた名無しは広場に設置されてあるベンチに座って三蔵達を探していると、横から数人の知らない男達が彼女に声をかけてきた。
「さっきから可愛いなぁって思って見てたんだけど、もし1人なら俺たちと遊びに行かない?」
「い、いえ、結構です。
人を待っているんで…」
何この人たち!?
ナンパ?∪
男達は名無しの座っているベンチに、彼女を挟むような感じで腰を下ろすと、隣に座ってきた男が名無しの肩に腕を回してきた。
「じゃあその待っている人がくるまで、俺たちの相手をしてよ♪」
「いやです!
私じゃなくて他の人に相手をしてもらえば良いじゃないですか!」
「そんな事言わないでよ
俺たち君じゃなきゃ駄目なんだよね~」
「……#」
何こいつ等!
意味わかんない!!#
っていうか三蔵も悟浄もどこに行ったのよ!!
あの二人ならこんな奴ら直ぐに追っ払ってくれるのに!
「ねぇ、今から俺たちと遊びに行こうよ」
「…それとも、気持ちいい事でもしに行っちゃう?」
「…っ!
もういい加減にして!」
名無しはイラだった表情を浮かべると、その場を離れようとベンチから立ち上がろうとした。
しかし……
「行かせないよ」
”グイッ”
「きゃっ!」
男は彼女を行かせまいと腕を掴んで自分の方に引き寄せると、名無しは引っ張られた反動で、男の腕の中にすっぽりと収まってしまった。
「ちょっと何すんのよ!
放して!!」
「君、良い香りだね」
「…それに肌だってこんなにスベスベだし」
「やっ!…やだ!!放して!!
三蔵!!悟浄!!助けてぇ!!」
名無しは体を触ってくる男から離れようと必死に抵抗し、彼女の目には涙が浮かんでいた。
そして、大きな声で三蔵と悟浄の名前を叫んだ次の瞬間ーー。
”ジャキッ”
三「おいテメェ…
誰に断りを得て俺の女に手ェ出してやがる」
”チャキンッ”
浄「…その汚ぇ手をさっさと放さねぇと、兄ちゃん達の腕なくなるぜ?」
聞き覚えのある声が聞こえ、名無しは後を振り向くと、そこには殺気のオーラに身を纏った三蔵と悟浄がそれぞれの武器を手に立っていた。
三蔵の銃口と悟浄の錫杖が、名無しを抱きしめている男の後頭部に突きつけられると、彼女を取り囲んでいた男達はその恐怖に大量の冷や汗をたらしていた。
三「聞こえなかったか?
さっさとその薄汚ぇ手をどけて失せろと言ったんだ」
「……す、すみませんでしたぁああ!!!∪」
男達は彼女を解放して一目散にその場から立ち去って行くと、緊張の糸が解けたのか、名無しは泣きながら三蔵に抱きついた。
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