49話 右と左は恋敵
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浄「名無しちゃん、今から俺とどっかデートに行かない?♪」
三「名無し、散歩に行くから付き合え」
「……えっと…∪」
ある日の午後、旅先で立ち寄った宿で三蔵一行は、日頃の疲れを癒すべく、それぞれが思い思いの時間を過ごしていた。
三蔵一行の紅一点である名無しは、ベッドの上でお気に入りの本を読んでいると、窓から差込む暖かな日差しが室内を照らし出し、ポカポカとした気候がとても心地よかった。
そんな優雅な時間が過ぎていくかと思っていたが、彼女の部屋に三蔵と悟浄が散歩とデートに誘ってきたのだった。
浄「名無しちゃんを先に誘ったのは俺だぞ?
三蔵様は茶でも啜りながら芋けんぴでも喰ってたらどうだ?」
三「フンッ…だったら今日は天気が良すぎるから、河童は皿が乾からびねぇように、水浴びでもしながらキュウリをかじってりゃ良いんじゃねぇか?」
浄「名無しちゃんは眉間にシワ寄せてる無愛想な坊主といるより、俺と一緒の方が楽しいんだよ#」
三「あぁん?#
テメェと一緒にいる方が危険に決まってるだろうが#
同じ空気を吸うだけ名無しが汚れてしまう」
浄「言ってくれるじゃねぇの三蔵様よぉ##
ご老体は無理して外を歩くと、次の日体に響くぞ##」
”ガウンっ!”
浄「Σどわぁあっ!
テメェこのクソ坊主!!##
何しやがる##」
三蔵は悟浄に向かって一発の銃弾をおみまいすると、それは彼の頬をかすめて後ろの壁に打ち込まれた。
三「……チッ#」
浄「このクソ坊主!!##
てめぇマジで撃ってきただろ!!?##」
三「だったら何だ#」
名無しの部屋に入ってきて早々、顔を合わせるなり言い合いを始めた悟浄と三蔵だったが、彼等の様子を見ていた名無しは、困った表情から呆れた表情へと変わっていた。
名無しに惚れていた三蔵と悟浄の喧嘩はいつもの事で、彼女自身もどうしたものかと思っていた。
「……∪」
いつまで続くんだろう∪
これって止めた方がいいのかな?
ーーでも巻き込まれたくないし…
捕まっても面倒だし…
ここは逃げるか!
名無しは読んでいた本をベッドに置くと、喧嘩している彼等に気づかれないように部屋から出て行った。
浄「つーか名無しちゃんを最初に誘ったのは俺だってさっきから言ってんだろーが!!#」
三「そんな事知るか!!#
名無しお前はどっちといたいんだ!?#」
浄「もちろん俺だよな!?」
三・浄「「……あ」」
振り向いた彼等の視線の先に、当然名無しの姿はなかった。
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