46話 我逢人
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三「止めろぉぉおお!!!」
「三蔵!!」
”ジャキッ!”
「っ!!」
魘されていた三蔵に名無しは彼の体を揺さぶって起こそうとすると、ベッドから飛び起きた三蔵は枕元にあった銃を手にして銃口を名無しの顔目掛けて突き付けた。
三「ハァ…ハァッ……ぁ…………名無し」
「さ、三…蔵」
突然自分に銃口を突き付けられた事に驚いた名無しだったが、今の三蔵が正気じゃない事は知っていたため、彼をなだめる様にして頬にそっと触れた。
「大丈夫…大丈夫よ三蔵
怖がらなくて良い…怯えなくて良い…。
貴方が見ていたのは夢だから」
三「ゆ……夢」
「そう、夢
ーー風邪引いてる上に、雨も降っているから嫌な夢を見たんだよ
でも、もう大丈夫……大丈夫だから」
名無しは少し震えている三蔵の手から銃を取り上げると、近くにあったテーブルにそっと置いて彼を落ち着かせた。
「三蔵の体調の事が気になったから様子を見に来て正解だったよ」
三蔵は荒い息づかいで額から汗をかいており、名無しはタオルを取りに行こうとしたが、三蔵は彼女の腕を掴んで自分の方に引き寄せると、その反動で名無しは彼の腕の中に包み込まれた。
”ギュ”
「っ!……さ、三蔵?」
三「……く…な」
「え?」
三「行くな…どこにも行くな!
俺は強くない…
…過去の呪縛に囚われ、幾度となく忘れようとしても、目を閉じればそれが昨日の事の様に鮮明に蘇ってくる…。
ーーー俺はそれから逃げようとしていたんだ」
少しばかり切な気な表情を浮かべ、名無しの体を抱きしめると、名無しもそっと彼の背中に腕を回した。
いつもの三蔵ならそんな弱音を吐くような事は言わないのだが、体調と天気がそうさせているのか、今日の三蔵は普段言わないような事を言っていた。
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