46話 我逢人
夢小説設定
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八「三蔵…貴方がさっき魘されていたのも、今のこの天気が原因なんでしょうね。
考えたくなくても、思い出したくなくても…
何処かで吹っ切れない限り…許してもらえない限りーー。
どうする事も出来ないんですよ…」
三「許す…かーー。
今更誰にどう許してもらえってんだ」
八「クスっ、それもそうですね
…長居してすみません。
じゃあゆっくり休んでください。
それとーーー名無しに余計な心配かけちゃいけませんからね」
三「…?」
最後にその言葉を言い残した八戒は部屋を出て行くと、頭に「?」マークを浮かべた三蔵は一人になると、再び窓の外に目を向けた。
雨音が煩く耳鳴りの様に響き渡り、何度脳裏から忘れようとしても消える事は無かった。
【必死に隠して、必死に強がって……過去の自分を消し去りたいだけ】
ーー俺は全て消えちまえばいいと思っていたのかもしれんな。
”コンコン”
「三蔵食事持ってきたよ」
三「…名無し」
名無しはトレーに乗ったお粥を持って部屋に戻ってくると、それをテーブルの上に乗せた。
「三蔵、まだ顔色良くないわね。
此処に食事おいておくから、いつでも食べて
明日も此処に滞在するみたいだから、三蔵は早く元気にならないとね」
三「あぁ…その事は八戒から聞いた」
「そっか…。
じゃあ私は部屋に戻るね。
何かあったら遠慮なく言ってね!」
雨が降っているのと風邪の所為もあり、その日の三蔵はいつも以上に元気がなく、いつも眉間に皺を寄せている表情も、今日はばかりは違っていた。
これ以上部屋にいると、三蔵の体に障ってしまうと思った名無しは彼の部屋から出て行こうとした。
しかし、次の瞬間ーー。
”グイッ”
「……え?
…三蔵?」
急に腕を掴まれ、先へ進む事が出来なくなった名無しは後ろを振り向くと、三蔵が彼女を行かせまいとしていた。
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