46話 我逢人
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三「うぁぁあああああ!!!」
”ガバっ!”
三「…ハァッ…ハァッ……ハッーー」
ゆ…夢ーーか…。
悪夢に魘されていた三蔵は大きな声を出しながらベッドから飛び起きると、荒い息づかいで何度も肩で呼吸していた。
そして彼の声を聞きつけた八戒と名無しが部屋に入ってくると、一番三蔵の事を心配していた名無しがベッドの側へとやってきた。
「三蔵、気がついたんだね?」
三「……名無し………っ…俺は一体」
八「三蔵熱を出してたんですよ。
今日の湖に落ちてそのままだったのが原因でしょうね。
街に着いて直ぐに此処の宿のマスターが医者を呼んできてくれたんですよ」
三「ーー八戒」
「ずっと起きなかったから凄く心配したんだよ!?」
三蔵は「そうか」と一言いってふと窓の外に視線を向けると、外は既に真っ暗で、おまけに大粒の雨が勢いよく地面に叩き付けられていた。
ーーー雨…か…。
…まさかこんな時に限ってーー。
八「宿が決まってから直に雨が降ってきたんですよ
少しでも遅くなっていたら余計に体調を悪化させていたかもしれません。
あ、それと三蔵が治るまでの間此処に滞在する事にしましたから。
今は何も考えずゆっくりと休んでください」
「三蔵、後で軽食と一緒に薬を持て来るから、その間横になっててね」
三「…あぁ」
名無しはマスターからキッチンを借りる為に、三蔵の部屋を一足先に出て行くと、八戒は彼女が出て行った事を確信して再び口を開いた。
八「…こんな時に雨かーーって思いましたか?」
三「…あぁ?」
八「すみません。
そんな顔していたもので…。
ーー貴方も僕も…雨の日だけはこの呪縛から解放される事はないんでしょうね」
三「……呪縛…か」
あの日から…何度忘れようとしたかーー。
あの日から…何度己を殺そうとしたかーー。
あの日から…何度魘されてきたかーー。
三「…そうかもな……この呪縛は永遠に消えんのかもなーー。」
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