44話 それでも君が好きなんだ
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「……ん……もう朝」
”コンコン”
「クスッ、おはよう小鳥さん、リスさん。
あ、ご飯でしょ?
ちょっと待っててね!」
人里離れた森の中に一軒の小屋があった。
それはお世辞にも綺麗な小屋とはいえず、ましてや古すぎるというものでもなかった。
此処に住んでいる女性の名はミサ。
一人旅をしていた時たまたま立ち寄った所、この小屋を見つけて以来住むようになっていた。
はじめのうちは天井に穴は開き、雨が降った時は雨漏りがし、壁や床には隙間などがあったため、夜の冷えた風がその隙間から侵入していた。
そして、室内は蜘蛛の巣や埃などが一面に広がっており、住むにしてはいろいろ手を加えないといけない状態だった。
しかし、とても器用だったミサはその問題点を一つ一つ解決していくと、住みだして2週間後には見違えるぐらい綺麗な部屋へと変貌していた。
ミサ自身此処で長い間滞在するつもりではなかったのだが、住んでいくうちに森の動物達と仲良くなっていき、今では毎日の様に窓ガラスを叩いて彼女の家に集まってきていた。
「今日はクルミとヒマワリの種、それと果物ね」
ミサはテーブルの上に小鳥やリス達の食事が入ったお皿を置くと、彼等は慣れた様にしてテーブルの上にやってきた。
カリカリという音が室内に響き渡り、ミサも彼等と一緒に食事を取るために、用意していた朝食を食べだした。
明日には旅を再開しようと何度も思っていたが、この暮らしが気に入り、毎日がとても優雅だったので、旅の日をいつも先延ばしにしていた。
「あ、そう言えば今日は買い出しに行かないと
最近買い物に行ってなかったから、いろいろ切らしてたんだった。」
朝食が終わり、ミサは町にいく為に準備を住ませると、メモを持って小屋を後にした。
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「えっと…先ずは食料から買わないとね!」
住んでいる所から町までは20分ぐらいの所にある為、暇を見つけては行きつけの市場で食料を買っていた。
市場の人達は皆とても親切で、ミサ自身彼等と直ぐに打ち解ける事が出来た。
「お、ミサちゃん!いらっしゃい!」
「おじさん、おはようございます!」
「今日もえらく機嫌がいいんだな!」
「そうですか?
そうだとすると、おじさんの顔を見れたからじゃないですかね?」
「あはは!嬉しい事言ってくれるねぇ!♪
じゃあ今日はリンゴをオマケしちゃうよ!」
「わぁ~!本当ですか!?
有難うございます!」
店主はミサの言葉で機嫌を良くすると、売場にあったリンゴを数個オマケとして差し上げた。
ミサも「ラッキー!」っと思い、ニコニコして袋を受け取ると、彼女の後ろから聞き慣れない声が聞こえてきた。
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