43話 あの人の正体
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浄「この場所はあまり好きじゃないが、此処で食事というのも悪くない。
大丈夫……血を吸われても死にはしない。
死なない変わりに、ミサちゃんが俺の仲間になるんだからさ」
「私がヴァンパイアに?
……そんなのお断りよ!!」
どうしよう…聖水が見つからない!!
このままじゃ…
このままじゃ!!
………っ!そうだ!!
私は主祭壇の両サイドに置かれてある花瓶が目に入り、とっさに生けられていた花を取り出した。
そして後ろにあった小さなマリア像の手に此処の神父様が使っているであろうロザリオを手にすると、それを花瓶の中に入れ込んだ。
浄「いつまで悪足掻きをしているつもりだ?
いい加減諦めた方がいいぜ」
「天にましますわれらの父よ、願わくは御名の尊まれんことを、御国の来たらんことを、御旨の天に行わるる如く地にも行われんことを…!
われらの日用の糧を、今日(こんにち)われらに与え給え!
われらが人に赦す如く、われらの罪を赦し給え!
われらを試みに引き給わざれ、われらを悪より救い給え!
アーメン!!」
私は花瓶を手にして急いで聖なる祈りを神に捧げた。
こんなやり方で聖水が出来るのかも分からなかったし、果たしてその聖水自体が相手に通用するのか分からなかった。
でも、私は一か八か試してみた。
浄「ミサちゃんはこれからも俺のものだ。
もういい加減諦めろ!!」
「諦めるのはアンタの方よ!!!」
”バシャァアア!!!”
浄「Σっ!!!?
なっ!…こ、これは…聖水!?
グッ…グァァアアアアアアア!!!!!」
私は勢いよく花瓶の水を彼に向かって思いっきりぶちまけた。
すると全身ビショビショになった悟浄さんは、聖水の力で苦しみながら床に倒れこむと、全身から煙を出して蒸発する様にして消えてしまった。
『聖なる力』……。
例え彼がどんなに最も優れ、進化したバンパイアでも、変えられない弱点は一つぐらい存在するものだと、私は今回新たに発見する事が出来た。
「悟浄さん……出来れば貴方にはもう二度と逢いたくありません。
もし…次生まれ変わってくるなら、その時は普通の人間として………」
END
あとがき