43話 あの人の正体
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ミサちゃんはパラパラと本をめくり出し、書かれている内容を食い入る様にして読んでいた。
確かに此処にある本は全てこの世界には無いような事が書かれている。
まぁ、それもそのはず
この本は全て俺の世界の事を書いているから
浄「どう?この本」
「す、凄いです
容姿や特徴、伝承や歴史など細かく書かれてある…。
こんな事どの本を探しても書いてなかったのに」
浄「気に入ってくれたのなら良かった」
「でも、私が知っている内容と、此処に書かれている内容が違っている所があるんですよね」
浄「へ〜…例えば?」
「えっと、私が知っている事だと『日光を浴びると弱るため、昼間は墓地や洞窟などに身を隠す』や、『退治方法としては、首を切り落とす、心臓に杭を打つ、死体を燃やす、銀の弾丸もしくは呪文を刻んだ弾丸で撃つ』ってありますが、此処には『昼夜問わず人間界への行き来が可能』、『ヴァンパイア一族は不死身な存在なので銀の弾丸でない限り、首を落とされても心臓を杭で打ち込んでも死ぬ事はないが、聖なる力を前にしては例えそれがどんなものであろうと、力を失いヴァンパイアとしての命を失ってしまう。』って書いてあるんですよね
こんな事ってあり得ないですよ」
浄「本当にそう思っているかい?」
「……え?」
浄「言っただろ?
『真実とは、自分の目で確かめた答えの事を言うんだ』って
どんなに調べても、その本に書いてあるのが真実とは限らない。
それは何故だと思う?」
「……えっと……未確認であり、架空の生き物だから…?」
浄「違う。
答えは、『彼等も時代とともに進化しているから』だよ」
俺はニヤッと笑みを浮かべると、先ほどまで人間の姿をしていたが、彼女の前で本来の姿になった。
耳は尖り、牙はキラリと光り、そして短かった爪も長くなった。
「Σっ!!……ご…悟浄…さん」
俺の本来の姿を見たミサちゃんは驚きの表情を浮かべ、先ほど手にしていた本は重力に逆らう事なく、ゴトッと音を立てて床に落ちた。
浄「あぁ、いいね。
その恐怖に染まる顔……。
恐怖に怯えている時の血の方が、更に美味さを引き立ててくれるんだよ」
俺は一歩一歩彼女に歩み寄ると、ミサちゃんも俺が近づく度に後ろへと下がっていったが、直ぐに本棚によって行き場を無くしてしまい、俺は彼女の後ろにあった本棚に手を付いて逃げられない様にした。
「悟浄…さん……貴方ヴァンパイア…だったん…で…すか?」
浄「正解。
俺は最も優れ、進化したヴァンパイア…。
ビックリした?」
そっと彼女の頬に手を添え指で唇をなぞれば、ミサちゃんは肩をビクつかせた。
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