43話 あの人の正体
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俺は身支度を整えると、直ぐに人間界へ向かった。
最後に行ったのはもう何百年も前で、その時はヨーロッパという所にいた。
当時の人間の血はまぁそこそこ美味かったが、何と言うか油っぽいというかこってりとしている感じだったので、俺はその度にむねやけしていたから直に自分の世界に帰った。
浄「あの時の姉ちゃん達は美人だったんだけどな
…ってそれにしても、此処が日本か
なんか久しぶりに来たけど…いい女ばっかりじゃねぇの♪」
”グゥウウ〜”
浄「…∪
や、ヤベェ∪
んな事より…マジで飯にありつかねぇと体力が持たねぇ∪」
俺は周りを見て回ろうと思ったが、お腹の音とともに空腹を思い出すと一気に体力が落ちていくのが分かった。
浄「取りあえず人間の姿になっておくか」
尖った耳や牙、長い爪を隠し見た目を人間にして、俺は街中を歩いた。
俺の嗅覚は美味しそうな血の臭いを嗅ぎ分ける事ができるので、余計な体力を使う事が無かった。
にしても…
浄「見た目はいい女が多いのに、匂いはイマイチなもんばかりだな…∪
やっぱ時代が変わっても血の臭いは昔のままってか?」
はぁ〜…取りあえず
明るいうちに人間を襲うと目立っちまうから、取りあえずどっか涼しい所にでも行くか。
俺はひとまずあまり人気の無い所を目指して移動する事にした。
歩いていっても問題なかったが、空腹のあまり無駄な体力を使いたくなかった俺は羽だけだし空を飛んでいった。
人間にバレるのも面倒だったので姿を消していると、俺の視線の先には一件の建物が目に入ってきた。
浄「なんだあそこは」
…図書館?
……あぁ、書物の事か
浄「此処なら涼しいし光りもそんなに入ってこねぇから、暫くは此処にいるか」
本には興味が無かったが、俺は暇つぶしぐらいにはなるだろうと思い、外が暗くなるまで此処にいる事にした。
外と比べて館内は空調がきいており、そこには暑い日差しはなく涼しい風が包み込んでいた。
浄「人すらいねぇんだな」
ま、俺ですら書物は読まねぇからな
取りあえず…人間界の歴史でも勉強しておくか
俺は館内の奥へと脚を運ばせた。
カツカツと俺の足音が響き渡り、キョロキョロと辺りを見渡しているが、本当に誰一人ここを利用している人間はいなかった。
浄「静かだなぁ〜」
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