41話 余裕が無い僕なんです。
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好きだと言われる事は嫌いじゃない。
何も言ってくれない人に比べて、ちゃんと言葉にしてくれる人の方が安心するから…。
いつも耳元で囁かれ、自分よりも大きな腕でギュッと抱きしめてくれるし、彼の笑顔を見ていたら私もつい笑顔になってしまう。
私だって彼に負けないぐらい好きだという気持ちは持っている。
毎日好きだと言ってくれて、毎日抱きしめてくれて、毎日私の為に優しい言葉を掛けてくれる…。
私の自慢の彼氏…猪八戒
…でも…私より彼の方が大人な所為か、いつもドキドキしている私に比べて大人の余裕ってものがある。
私から抱きしめても、一緒の部屋で過ごしていても、私から「好きだ」っていても……八戒はいつもあの優しい笑顔で応えてくれる。
だから私は八戒が怒ったり、悲し気な表情をした所を見た事が無い。
いや、本来なら好きな彼氏が毎日笑顔でいる事は嬉しい事なのがだ、違った表情だって見てみたいじゃない?
いつもと違う彼の表情
大人の余裕が無くて、いつもと違う八戒の顔を見てみたい。
彼と出会って、彼と付き合う様になって、私はそんな願望を抱く様になっていた。
だから私より、ずっと八戒との付き合いが長い悟浄に相談をしたのだった……。
”コンコン”
浄「へ〜い」
「悟浄、私だけどちょっといいかな?」
浄「いいぜ、入ってこいよ」
私は自分の隣の部屋で寛いでいる悟浄の部屋を訪ねた。
今日は何とか次の町まで来る事が出来た上、運良く1人部屋が確保出来た。
悟浄も疲れているからあまりプライベートな時間を邪魔したくないと思ったが、そこは申し訳ないと思いつつ彼の部屋の扉をノックすると、悟浄は追い返す事もせず私を中に入れてくれた。
「ごめんね休んでいる時に」
浄「なぁに言ってんの。
名無しちゃんならいつでも大歓迎だぜ♪」
「ありがとう!」
悟浄はベッドから体を起こし、吸っていた煙草を灰皿で揉み消すと、ベッドをポンポンと叩いて私を座らせてくれた。
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