40話 彼が秘めた想い
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悟浄の問いかけにミサは言葉を詰まらせた。
本当なら自分も悟浄と同じ気持ちだった。
彼の事が大好きで、こんな自分の側にいてくれる事が何よりも嬉しかった。
言葉でちゃんと「好き」、「愛している」と伝えたかったが、過去の出来事が、悪夢がそれを邪魔していた。
そして何より…素直になれない自分がいた。
「そ、そんな事いちいち言わなくても分かってるでしょ!」
ミサはその場を立ち上がり歩き出そうとしたそのとき、悟浄は彼女の腕をつかんで阻止した。
浄「いったいどうしたんだ?
此処最近様子が変だぞ。
よそよそしいというか…なんつーか」
「そんな事無い…悟浄の勘違いじゃないの?」
浄「…俺はミサちゃんの為ならずっと側にいる。
ミサちゃんが笑顔でいられるなら……。
なぁ言ってくれ…。
俺じゃ不満なのか?
俺じゃミサちゃんの為に何も出来ないのか?
それとも俺勝手に自惚れてただけなのか?」
「ち、違う!」
「じゃあ何だよ!!
俺はミサちゃんの口から好きだと言ってもらった事が無い。
…俺の事好きじゃないからなんだろ?
本当は側にいてくれるなら誰でも良かったんだろ?
ーーー俺は
…俺は……誰からも必要とはされない。」
ーーーーあの女の様に…。
【私を置いていかないで!!
これ以上母さんを一人にしないで!!】
【アンタなんか生まれてこなければ良かったのに】
浄「昔からそうだった。
俺が禁忌の子ってだけで母親から嫌われ、邪魔者扱いされ…そして殺されかけてきた。
…俺は兄貴とは違う
俺は…人間でも妖怪でもない
…ただ邪魔な存在
俺は結局心から好きだと思える人にでえさへ、受け入れては貰えない。
俺は……誰かに愛されるどころか……愛する事すら許されねぇってわけか…」
ミサは、自分が今まで辛い過去を背負って生きてきたと思っていたが、悟浄の口から彼の過去を聞き、彼の切なげな表情を見た瞬間、ミサの心は締め付けられる想いでいっぱいだった。
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