39話 心に秘めた思いは
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その度にお姉さんと旦那さんは喧嘩し、以前愛し合っていた羨ましい光景は無くなっていた。
何度も何度も喧嘩して、愛は覚めきっていき…。
そしてとうとうお姉さんは子供を連れて出て行ってしまった。
何度引き止めてもお姉さんの考えは、気持ちは変わる事が無かった。
別れ際、私が最後に見たのは大好きな笑顔じゃなく、全ての愛を失い涙で濡れた悲しい顔だった。
「…お姉さん…一体何処にいるんだろう
早く…逢いたい」
お姉さんがいなくなってから私は旅に出た。
もう一度彼女の笑顔を見たい。
もう一度彼女と話しをしたい。
私はその一心だけで何の手がかりも無く、探す日々を送っていた。
今日こそは、今日こそはと思いながら探していたが、これといった情報や手がかりは全く無く、私はいつもお姉さんの写真を見つめていた。
「……あんなに愛し合っていたのに……所詮夫婦なんて他人でか無いんだよ」
旅に出て1ヶ月が立った頃、私は次の街に到着した。
街はとても賑わっており、祭りでもあるんじゃないかと思うぐらい市場も人で埋め尽くされていた。
「ここで少しでも情報が得られれば良いんだけど。
…あ、でもその前に宿を探さないと」
昨日が野宿だった私は、先ずは宿を探す為に市場を離れた。
移動手段は歩きなため、次の街に着かなければ自然と野宿となり、その分体力的にもそろそろ限界になっていた。
旅だって止めようと思えば止める事が出来るが、今故郷に戻ったとしても、辛い事ばかりを思い出してしまうと思い、私には帰るという選択肢は今の所無かった。
それから直ぐに宿は見つかり、私は少しのんびりした後近くの店で食事をしようと宿を出た。
昼までも賑やかな街は夜になってもそれは変わらず、店内では従業員が慌ただしく動き回っていた。
「すみませんお客様。
見ての通りただいま満席で∪
相席で宜しければお通しする事は出来るのですが∪」
「私は構いませんよ」
「ありがとうございます。
では案内しますのでこちらへ」
どうせすぐ食べて出て行けばいい事だと思った私は相席だろうが何だろうがどうでも良かった。
でもそのとき
そこで自分の今後の運命が変わるとは知らなかった。
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