37話 君が異性に変わってゆく
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名無しが笑顔でいてくれるなら、俺は全てのものから守っていこうと決めていた。
最初はお師匠様の代わりだという俺への責任感がそうさせていたのかもしれない。
こいつには俺しかいない。
こいつを守れるのは俺だけだ。
しかし
いつからだろうか?
こいつの側にいたい
こいつを守りたい
こいつを誰にも渡したくない。
俺の中で名無しに対する気持ちはいつの間にか「保護者だから」という思いは無くなり、ただの一人の男として名無しの事を思う様になっていた。
その日の夜、俺は普段遅くに名無しの部屋に行く事はしないのだが、その日はなぜか足が勝手にアイツの部屋へと向かっていた。
三「今夜は…満月か」
もしかしたら月がそうさせているのかもしれねぇな。
雲一つない上空に煌煌と照らし出されている満月が、辺りの闇を消し去っていた。
気持ちいいそよ風が俺の髪をなびかせ、月明かりも廊下を照らしていた。
”コンコン”
三「起きてるか?」
「三蔵?」
俺だと分かった名無しは少しばかり驚きながらも、部屋の戸を開け俺を中に入れた。
「こんな遅くに三蔵が部屋に来るなんて珍しいね?
眠れないの?」
三「…いや、別に」
俺は特に用件があった訳じゃねぇが、名無しは珈琲を用意するとそれを俺に差し出した。
「私は…眠れなかったんだ。
こんな綺麗な月を見ているとね……昔を思い出すの」
三「昔?」
「月はお師匠様を思い出すの………そしてお師匠様を思い出すと両親の事も思い出す」
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