4話 花より団子・団子より彼女
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今宵は満月。
鈴虫が美しい音色を奏でていると、縁側で一人月明かりに照らされながら手酌をしている人が居た。
彼の名は光明三蔵法師。
にこやかに微笑むその笑顔は他の僧侶からも親しまれてきた。
光「今宵の月は一段と美しいですねぇ」
ほのぼのとした雰囲気をかもし出していると背後から人の気配がしてきた。
光「眠れないのですか?名無し」
名無しと呼ばれた女性は、半年前に妖怪の襲撃にあった村で唯一の生き残りだった彼女を、ここ金山寺に連れてきた人だった。
「一人で月見酒なんて寂しいんじゃないかと思って」
光明は手招きをして名無しを自分の隣に座らせた。
光「今宵も満月は美しいと思いませんか?空気も澄んでいて鈴虫の音色もココロを落ち着かせます。
…秋の風物詩ですねぇ♪」
そして光明はお猪口に入ってあるお酒をコクリッと飲んだ。
「光明は夜が怖くないの?」
光「おや?何故です?」
「私は未だに夢で見るの…
家族が…村の皆が…妖怪の笑い声が…
ーー未だに夢の中に出てくるの…
夜なんて来なければいいのに」
光明はお猪口をお盆の上に載せると名無しを自分の方へと引き寄せた。
「…!?」
光「怖いと思わず闇も好きになってあげなさい
人は光りを追うばかりでは生きていく事はできません。
生まれてから死ぬまで光と闇、二つと共に共存していかなくてはならないのです。
夜が怖い時は今宵の月を思い浮かべてください
ーー鈴虫の音色を思い出してください
…そして私と過ごす今日を思い出してーー。」
「あはは、光明がそんなことを言ったらキザっぽいね」
光「フフフ…それは侵害ですねぇ」
そして名無しは空になったお猪口にお酒を注ぎ足すとそれを光明に渡した。
「手酌じゃ味気ないでしょ?」
光「ありがとうございます」
光明はお酒をコクリと飲んだ。
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