30話 全ては君の為に
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
町外れにある図書館で、私は本を読んでいた。
新しい本から古書まで数々の本が取り揃えてられており、一日いても全然飽きる事なんてなく、利用する人もそんなに多い訳じゃないから、ゆとりを持って過ごせる事に私は満足していた。
はじめはこんな所に図書館がある事すら知らず、一人になれそうな草原や公園などを探しては、静かに読書をする事が当たり前だったが、友人の八戒が図書館を教えてくれたおかげで、私は毎日のように利用する事が多くなっていた。
ここの館長さんとも顔なじみになったと同時に利用者が少ないというのもあり、好きなだけ此処にいていいといつも言ってくれる。
私は遠慮することなく、日が落ちるまで此処で自分の時間を過ごしていた。
でも…
それは過去の話し。
今は私の隣には本とは無縁な男が毎日、毎日、毎日、毎日!
私の邪魔をしてくる。
そして、今日も……
浄「お、今日はこんな隅っこにいたのか」
「…悟浄……また来たの?」
彼は沙悟浄。
八戒の家で一緒にすんでる同居人だ。
最初に紹介されたときは、「かわいいね~v」だの「彼氏とかいるの?v」だの、そこらのタチの悪いナンパ男でしかなく、私に取ってもあまり関わりたくない存在だったし、第一印象も正直良いものとは思わなかった。
でも……
それでも…そんな彼の深紅の髪と瞳からは目をそらす事がいつもできなかった。
皆知っている…
その髪と瞳の色が、どんな意味を表してるかなんて
だから、それをよく思う人なんて
あまりいない事も、私は知っている。
.