28話 指定場所
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その日の夕方、いつものように三蔵が迎えに来た。
悟空がどんなに遅くなっても自分から迎えにこようともしない三蔵だが、彼女の場合は違っていた。
「三蔵?いつも言ってるけどこの時間ならまだ自分一人で帰れるよ?」
三「フン……タバコが切れたからついでだ」
三蔵は愛用のタバコを懐から取り出し、再び火をつけると小さな明かりに包まれた。
三蔵って毎日毎日タバコを買うついでって言ってるけど
本当は嘘なんだよね?
分かってるよ
でも子ども扱いされてる様な気がする。
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その日の夜、名無しは自室で八戒から借りて来た本を読んでいた。
室内にはパラパラとページをめくる音とささやかな風の音が聞こえ、集中して読むには丁度いい雰囲気だった。
しかしそんな中、聞き慣れた足音が廊下に響くと、少ししして名無しの部屋の前でピタリととまり、同時に扉が開かれた。
「入るならノックぐらいしてくれても良いのに」
三「フン…俺がどうしようと勝手だ」
素っ気ない言葉を名無しに投げ掛け、三蔵は部屋に入ってくると、彼女の座っているベッドに腰をかけた。
「まぁ、いつもの事だから今更って感じもするけどね」
隣に三蔵が居ても、ページをめくる事を止めない名無しだったが、三蔵は気にする事も無く彼女に話しかけた。
三「明日もあいつらの家に行くのか?」
「うん!だってこの本の続きも気になるし、八戒の作ってくれるお茶も美味しいし!
それに悟浄とのお昼寝は私の日課でもあるしねv」
三(っ……まだあの河童と昼寝してやがったのか##)
三蔵は小さく舌打ちをすると、名無しが読んでいた本と取り上げた。
「あっ!ちょっと読んでるんだから返してよ!」
返してもらおうと必死に手を伸ばしたが、簡単に取り返せる事も出来ず、名無しは三蔵を睨みつけた。
だが、名無しがどんなに睨んでも三蔵からしたら可愛いの部類に入ってしまい、むしろ何の意味も無かった。
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