21話 見つけた光
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いつもサラサラとなびく髪は雨で濡れ顔にへばりつき、部屋で着ていた服も、水分を含んで雷の体のラインをはっきり映し出していた。
八「…雷…―?
…こんな所で何をしてるんです?」
「それはこっちの台詞よ!
買出しに行ったっきり戻ってこないから皆心配してたんだよ!?
…町の人に来たら、八戒らしき人が虚ろな表情で森に入っていったって言ってたし
………それに今日の八戒様子が変だし……心配かけないでよ!」
今にも泣きそうな顔をして必死になって僕のことを探しに来てくれた雷を見て、このとき初めて彼女のこと好きなんだと気付いた。
そして気が付けば雷のことを抱きしめていた。
「八…戒…っ?
……濡れちゃうよ?」
「…すみません……少しこのままでいさせてください」
持っていた傘を無造作に地面に落とし、僕は雷を優しく抱きしめた。
どんなに服が濡れようが、どんなに耳鳴りがしようが、雷が側にいればそんなことどうでもいい感じがした。
花楠…もう一度僕に「愛する」という事をさせてくれませんか?
もし許されるのであれば……僕にもう一度チャンスを下さい。
小さな体を包み込むように抱きしめてる間、雷は何も言わず僕の背中に腕を回してくれた。
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