第13話 兄と似ている貴方
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「…で?
何か用件でもあるの?」
土「あぁ、この前他の隊に過激派浪士の密偵を頼んだんだが、この報告書に対してどう動くべきかと思ってな」
「それなら私じゃなく貴方の上司である近藤さんに相談する方が良い解決策が出るかもしれないわよ?」
土「そう思ったんだが近藤さんも忙しい身だ
だから近藤さんにはあまり余計な仕事をさせたくねぇんだ」
「…そう。
だから自分で仕事を抱え込んでると言う事なんだね
…その資料見ても良いかな?」
鏡花は土方から数枚の紙を受け取り、密偵に関しての報告内容に目を通していると、蝋燭の火がユラユラと揺れるたびに鏡花の美しい顔が映し出され、それを近くで見ていた土方の胸はドキッと高鳴った。
ーーまただ…。
朽木を見ると…ときどき胸が締め付けられそうになる…。
本当に俺はどうかしちまったのか?
「ーーさん……土方さん!」
土「っ!…あ…な、なんだ?∪」
「なんだじゃ無いわよ
ボーッとしてどうかしたの?」
土「あ…いや…すまねぇ
ーーで、どうだ?」
「新選組に侵入…間者として過激派浪士を数名
この内容なら近々間者として送り込まれてくるのは目に見えているわ
密偵をもう少しさせてもいいかも
そこで浪士の名前と人数、詳しい日程なども探らせておく必要があるわね
あとこのまま迎え入れて良いんじゃないかしら?」
土「なんだと?」
「間者と気づかないフリをして逆に敵地に誘い込む
…こちらから過激派浪士の巣窟に乗り込んでいくよりも、手っ取り早く片付ける事が出来るかもしれないわ
でもまぁ、こんな事をするという事は首謀者は浪士じゃなく、他にいる感じがするんだけど」
土「…なぜそう思う?」
「首謀者自体が浪士で、少しでも早く新選組を壊滅させたいなら、いちいちここに間者として来なくても、大勢で侵入して切り合いをした方が早いでしょ?
でも時間をかけてこちらの内部情報を探ろうとしているのは、壊滅だけが目的じゃ無さそうなのよね
他に目的がありそうな感じだわ」
土「ーー確かに…言われてみりゃそうだな」
「今の段階じゃ目的すら分からないんだから、取り合えず密偵は続けさせて情報をもっと集めないと
そして真の首謀者を見つけて、目的も探る!
直ぐに刀を握るんじゃなく、ギリギリまで見極めて流す血を減らす方が隊士達の負担も少ないはずよ」
鏡花は資料を土方に返すと、着物の懐から包み紙を取り出しそれを土方に差出した。
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