第9話 仕事は素早く
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「土方さんいる?」
土「鏡花か
ーー入れ」
「失礼するよ」
土方の部屋に来た鏡花は障子越しに室内にいるであろう土方に声をかけると、中から返事が返ってきたので鏡花はゆっくりと障子を開けて入った。
「忙しいところ悪いね」
鏡花は小さく微笑みかけると、土方は彼女の姿を見てドキッとした。
死覇装の時の姿と違って、やはり今の着物姿に慣れず、近くに彼女がいるだけで相手に自分の忙しく動く心音が聞こえてしまうんじゃないかと思うほどだった。
「ーーん?
土方さんどうかした?」
土「っ…!
…ぁ…い、いやなんでもねぇ/////
それよりもどうした?
何か用があったんだろ?」
「うん、左之さんが土方さんが過激派浪士達の目録を所持しているって聞いてね
資料を整理する前に一度確認のため見せてもらうかと思ったの」
土「目録の制作は原田の仕事だろうが
アイツは何やってんだ?」
「目録制作の前に報告書も溜まっていると言ってたわね
此処数日の間、虚による変死体の件もあって書く事が出来なかったそうよ」
鏡花は呆れながらもクスクスと笑っていると、それを聞いた土方は深く溜め息をついた。
土「アイツ何やってんだ」
「まぁそう言わないであげて
それぐらいの仕事なら小性の私でも出来ると思うからね」
土「『出来ると思う』って…。
これは新選組幹部が取り扱う大事な目録になるんだぞ?
鏡花に出来る筈は…「出来るか出来ないかは貴方が決める事じゃないのよ。
それにこうやって無駄話をしている時間も勿体ないの。
つべこべ言わずに貴方が所持している目録を見せなさい」
土「…#」
鏡花は仕事となると手を抜く事は一切許さず、先ほどまで穏やかで優しい表情を浮かべていたが、今では凛とした零番隊隊長の顔になっていた。
そして土方も彼女の言葉に一瞬ムッとしたが、無言で立ち上がると棚から一冊の書類の束を彼女に渡した。
土「見せてやってもいいが、その仕事を原田から頼まれたからにはちゃんと責任もって目録を仕上げてこいよ?
言っておくが出来ませんでしたじゃ許さねぇからな
それと、その目録は明日の午後までに仕上げて俺のところに持ってこい」
土方は半ば「鏡花には出来ないだろう」と思い少しばかり無理難題を叩き付けると、彼女は彼のそんな言葉を無視してパラパラと過去の過激派浪士の目録を確認しはじめた。
「………ふむ
此処に記されているのは個人の情報と殺した数、それと過激派浪士が潜伏していた藩士の事だけなのか?」
土「あぁ、分かっている情報だけを記録として乗せている」
鏡花は土方からその事を聞いた瞬間、呆れた表情を浮かべると小さく溜め息をついた。
「大体の事は分かったわ。
この目録は借りていく…。」
土「あ、あぁ……分かってると思うが明日の午後までだからな!」
「分かっているよ」
そう言って鏡花は彼に背を向けたままヒラヒラと手を振って部屋を出て行くと、そのまま原田の部屋へと戻っていた。
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