第32話 安堵の目覚め
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【朽木隊長——。
隊長はどうして…そこまで誰かを守ろうとするんですか?】
…え?
【だって…自分が犠牲になってまで、他人のことを守ろうとするなんて——普通できないです】
隊長だからね
それ以上でも…それ以下でもないよ
【怖くないんですか?痛くないんですか?】
怖いよ…
痛いよ…
でもそれは私自身じゃなく、大切な部下を守れない時の怖さ
傷つく仲間を見た時の心の痛さ
私は、私が犠牲になることで君たちを守れるなら怖くもないし痛くもないよ
【私は嫌ですそんなの
——そんなあなたを見てると、こっちが苦しくなるんです】
その声は誰よりも信頼していた副官のものだった。
かつて共に笑い、共に戦い、共に命を懸けた、もういない部下たち——。
次第に視界が明るくなっていくと、そこにはかつての隊舎があり、庭の桜の下で笑顔を浮かべながら鏡花を囲む隊士たちがいた。
夢だと分かっていても涙が零れる。
——守れなかった。
どんなに手を伸ばしても、指の隙間から零れ落ちていった命たち。
あの時、自分がもっと強ければ……
あの時、自分が代わりに死ねていたなら——。
けれど彼らの笑顔は責めるものではなく、ただ優しく微笑んでいた。
【隊長、もう十分です】
【あなたは……いつだって私たちを守ってくれた】
【今度は、私たちが隊長を守ります】
そう言った彼らの姿が桜吹雪の中でだんだんと淡くなっていく。
名を呼びたくても、声にならない。
そして最後に聞こえた声は——
【ありがとう、隊長】
……まぶしい光が差し込んでくる。
——もう少し、ここにいたいのに。
それなのにまるで優しく背を押されるように、夢から現実へと引き戻されていった。
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