第1話 今日は悪天候
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”ピー!!ピー!!ピー!!ピー!!”
「ン……ん〜……」
”ピー!!ピー!!ピー!!ピー!!”
「…んぅ〜」
”ピー!!ピー!!ピー!!ピー!!”
「……(プチ)
朝っぱらからピー!ピー!うるさぁあい!!#
何時だと思ってんだぁああ!!##」
”ガチャァン!!”
清々しい朝の日差しが差し込み、外では鳥のさえずり声が聞こえる中、目覚まし時計のアラーム音で起こされた凛は、あまりの煩さにブチキレてしまい枕元にあった時計を力一杯壁に向かって投げつけた。
「ったく#
人が気持ちよく寝ているのに起こすなんて、なんて空気を読めない目覚ましなんだ!
それに起きるのに時間だってまだ……早……ぃ…∪」
【08: 00】
「Σああぁぁぁああああ!!!!
遅刻じゃないかぁあああ!!!∪」
時計に向かって文句を言いながら、凛は机に置いてあったスマホを手にし、時間を確認すると時刻は既に8時を迎えていた。
大学の講義が8時半から始まる事を完全に忘れていた凛は、自分が間違って時計をセットしてしまった事に後悔すると直ぐに準備を始めた。
「ヤバい!!
ヤバい!!今日遅刻したら単位が貰えなくなっちゃうよ!!」
起きてから15分で身支度を終えた凛は、朝食を食べる暇もなく自宅を後にした。
走って駅まで行けば後は電車に乗るだけなので、大学までギリギリで間に合うのだが、前回遅刻した時は電車のトラブルで到着が送れ、またその前遅刻した時は、家の戸締まりをしていなかったため再び戻るという事があったため、今回は何としてでも時間内に到着したかったのだった。
凛には5年前まで家には両親と兄がいた。
父親と母親はフランスとイタリアでファッションブランドの会社経営をしており、7歳年上の兄はアメリカでIT関連の会社を経営するという実業家ファミリーだった。
凛が中学までは家族揃って日本にいたが、彼女が高校に入った時には、会社の成績が右肩上がりに良くなっていき、凛を残して海外に行く事が多くなっていた。
そして、一人暮らしをさせるのは心配だからという事もあり、高校はフランスか兄のいるアメリカに留学したらどうかと進められた時もあったが、日本に友人が多かった凛は留学する事をしなかった。
そのため、高校から20歳になった今日まで広すぎる家で一人暮らしをしていたのだ。
生活をしてく上で、バイトで生活費を稼ごうかと思っていたが、「バイトだけは禁止!」という両親の約束もあり、彼女の銀行口座には毎月ビックリする程の額が両親から振り込まれていた。
「じ…時間!
…ハァッ…ハァッ…8時27分!
も、もう少し!!」
時計を見ると講義が始まる3分前になっていた。
大学の最寄りの駅から猛ダッシュで走っていた凛は、目の前に見える校舎を目指して更に加速させた。
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