第30話 6通りのスイートタイム
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凛は階段を上がり静かに襖の前に立った。
中からは微かに本をめくる音と、時折紙のすれる落ち着いた気配が感じられたため、凛はノックするため扉に手を近づけた。
——そのときだった。
”ガラガラ”
「っ!
——び、びっくりしたぁ∪」
カ「驚かせちゃってごめんね
凛ちゃんの気配を感じたから、待てなくて出てきちゃったv」
「さすが忍びだね
あ、カカシ先生少しだけお邪魔してもいい?」
カ「“少し”なんて言わず、好きなだけいてくれて構わないよ?」
そう言ってカカシは室内に彼女を案内し、自分の正面にあるクッションを軽く手で叩いた。
カ「ほら、ここ。君のために空けておいたんだよ?」
「えっ……そ、それって……////」
カ「なんてね、冗談だよ」
くすりと笑うその声には、どこか本気と冗談の境界をぼかすような魔力がある。
いつも通りの飄々とした空気なのに、どこか包み込まれるような安心感と、底に潜む熱が混ざっていて、凛の心拍がじわりと高まっていく。
カカシの目の前に座り、彼女は小さく深呼吸して包みを取り出す。
「えっと、今日はその……日頃みんなにお世話になっておりから。
それで、そのお礼を込めて昨晩チョコを作ってみたの」
カ「——僕に?」
「うん
好みがちょっと悩んだんだけど……コーヒーとラム酒の香りが好きそうかなって思って作ってみました」
すると、マスクの奥の瞳がふわりと和らぎ、そっと手を伸ばして彼女の手ごと包みを受け取る。
カ「ありがとう。
凛ちゃんが俺のために作ってくれたってだけで、もう味は完璧に美味しいに決まってるよv」
「そんなの……まだ食べてもいないのに/////」
カ「うん。でも、君が“俺のために”って思ってくれた。
その気持ちが嬉しいんだよ。……こういうの、ずるいくらい嬉しくなるね」
凛が言葉に詰まると、カカシはふっと視線を落とし、包みを指先で愛おしそうに撫でたあとゆっくりと顔を上げた。
カ「そうだ
何かお礼をしないとね」
「えっ、お礼なんて、そんな……」
カ「でも俺はしたいんだ。
だって……凛ちゃんの手作りでしょ?」
そう言いながらカカシはゆっくりと立ち上がり、彼女の隣に膝をつくと、マスクを外した彼の整った容姿に凛もドキッとした。
〜〜やっぱり何度見てもカカシ先生の素顔ってかっこいいなぁ////
目の前にあるのは、仮面を外すことさえ自然になった唯一の存在。
凛の瞳がふと揺れる。
彼の整った顔立ちに、何度見ても胸がざわついてしまうのは変わらなかった。
「……もう、カカシ先生の素顔には慣れたつもりだったのに////」
小さく呟いたその言葉に、カカシは優しく目を細めた。
カ「それならもう少し近づいても大丈夫かな?」
「……えっ、ちょっ/////」
言葉よりも先にそっと彼の手が凛の頬に触れた。
温かくて、指先がすこしだけ震えている気がしたのは、きっと気のせいじゃない。
カ「このチョコレート…
君の手で作られたって思うだけで、俺の中では特別なんだ。
……他の誰かがもらうって考えると、正直ちょっと焼けちゃうくらいにね」
「え……そんな、オーバーな」
カ「オーバーなんかじゃないよ——
“俺だけのもの”が欲しくなるのは、ワガママかな?」
低く囁くような声とともに、彼の唇がそっと彼女の唇に触れた。
「っ……////」
唇が離れたあともその熱はずっと肌に残っており、瞳を閉じる隙もないほどあっという間のキスだった。
カ「……ほんとはね」
と、カカシがぽつりと続ける。
カ「ほっぺでも唇でもいいくらいだったんだけど……それはまた、今度のご褒美に取っておこうか」
「ご、ご褒美って……っ////」
カ「ふふ…凛ちゃんがまた俺だけに優しくしてくれたら、ね」
仮面がなくても、彼の表情は読めない。
でも、それでもわかる。
カカシの瞳の奥には確かに彼女だけを映す甘くて深い想いがあること。
「……そういうの、ずるい……カカシ先生」
カ「ずるいのはお互いさまだよ」
そっと指先が彼女の髪を撫でる。
それはまるで、大切な宝物を扱うような優しさだった。
カ「ありがとう凛ちゃん。
君の優しさ、全部ちゃんと受け取ったからね」
カカシの低く甘い声に包まれ彼女は静かにうなずくと、鼓動がまだ静かにならないままそっと席を立った。
「それじゃ……次の人にも渡してくるね」
カ「……うん、いってらっしゃい。
これは凛ちゃんだと思って大切に食べるからv」
「腐っちゃう前に食べ終わってね」
少しだけ笑って凛は部屋を後にした。
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